手話コミュニケーション入門Ⅱ
担当者根本 友己
単位・開講先選択  2単位 [自己啓発支援科目]
科目ナンバリングSNE-102

授業の概要(ねらい)

 手話は聴覚障害者にとっての言語であり、また魅力的なコミュニケーション手段である。手話を学んでいくことは聴覚障害者との会話を通した交流をするだけにとどまらず、自分自身の表現力、コミュニケーション能力を向上させていくと感じている人は多い。
 この授業では手話コミュニケーション入門Ⅰを学んだものに、継続して手話を学び日常で使われる手話表現を確実なものにしたり、表現の幅を広めたり、取り上げる会話の内容を増やすようにする。
 具体的には手話コミュニケーション入門Ⅰの復習とその技能に基づきながら、家族や近親者、友人との間での生活や体験を話題に手話で豊かに会話ができる内容となる。これを多くのビデオ教材を使い、演習的な方法も用いて表現が確実に身に付くようにする。
 加えて授業の中では実技に関する事柄以外のものとして、手話そのものの関連知識や、聴覚障害に係る社会的、歴史的なことがらの基礎知識を得られる内容をとりあげ、聴覚障害の理解や聴覚障害者との共生への意識を高め、本学にも在籍する聴覚障害学生への支援にも係れるような姿勢を持てるようにする。

授業の到達目標

 ①日常でかわされる簡単な会話を聴覚障害者と手話で行える技術を習得でき活用できるようになる。
 ②聴覚障害者の社会的、歴史的立場について、その基本的な部分を理解し共生社会に参加する姿勢が身に付く。
 ③聴覚障害学生への支援に参加しようとする姿勢を得る。

成績評価の方法および基準

 学習内容の評価配分は手話技能70%、障害理解30%とし、評価する内容、方法として講義の区切りに行うミニテスト30%、期末テスト70%の割合で評価をする。
 出席が10回未満の者は単位認定しない。やむを得ない事情以外、遅刻早退は認めない(出席に数えない。)

準備学修の内容

 ①予習としてテキストを事前に読んで、テキストに付属するDVDのビデオを視聴しておくこと。
 ②授業で習った手話表現を再現できるように、配布資料に合わせてビデオをみて復習すること。
 ③テレビでの手話ニュース、手話の学習番組、聴覚障害関連の番組の積極的な視聴をすること。
 ④聴覚障害学生と交流の機会を持つこと。ノートテイク支援の活動に参加するように努力すること。

その他履修上の注意事項

 この授業は手話コミュニケーションⅠを学習したことを前提にしている。復習もするが、会話の初歩はⅠで学んでいることとして、授業を進める。テキストも手話コミュニケーション入門Ⅰで使用したものを継続して前半の内容を使用する。このテキストはDVDが付属するので前半部の復習と共に後半の基礎編(応用)も参考にして自発的に学習を進めてほしい。
 聴覚障害学生との交流が一番この授業の目標到達に近づくことになるので、その機会を積極的に持つことを再度要望したい。また、手話の表現を見なければ学習が成立しないので、視線を講師やスライドに集中させることがないもの、私語をするものは授業に参加することを認めないこともある。

授業内容

授業内容
第1回 <実技の内容>は以下の回数の通り。
 実技教材はテキストの内容のDVDビデオや動画と新規にその内容のバリエーションの映像等を使用し、進める。
 オリエンテーションと指文字、指数詞の復習
第2回 自己紹介1(名前、家族、趣味)
第3回 自己紹介2(数を使った紹介、仕事、住所)
第4回 自己紹介3(総合、まとめ)
第5回 ミニテスト1、一日のことを話す。(時間の表し方、生活動作等)
第6回 一週間、一カ月のことを話す。(予定、時の経過等)
第7回 一年のことを話す。(季節、行事等)
第8回 パーティ等の計画(計画を作る。疑問詞、質問等)
第9回 旅行のことを話す。(簡単な質問と答える会話の発展)
第10回 ミニテスト2、病院のことを話す。(いろいろな体の状況を伝える。)
第11回 あしたの予定は?/食事に行こう。<誘う、誘われる>(強弱による気持ちの表し方、疑問詞)
第12回 学校や保育所のことを尋ねる(話す)。(様子を尋ねる、知らせる)
第13回 職場のことを話しましょう。(職場での会話の例を覚える、教育場面での手話の使用例)
第14回 総合演習(入門編手話表現のまとめと今後の発展、表情豊かに、具体的に表現する)
第15回 最終試験とまとめ
 <講義の内容>に関しては以下に示した4項目の内容を3~13回までに単独、組み合わせて講義する。
 (1)聴覚障害教育の歴史、現在、課題
 (2)学校現場における手話、手話に関連するマナー、諸知識
 (3)手話言語法、手話言語条例、障害者差別解消法等の内容を知る
 (4)「ろう、難聴者」の生活(関連するテレビ等での報道内容等)