担当者 | 根本 友己 | |
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単位・開講先 | 選択 1単位 [初等教育学科 初等教育コース] | |
科目ナンバリング | SNE-208 |
特別支援教育が本格展開され、教育現場においては多様な障害がある子ども達が増えている。教員免許も特別支援免許として単一障害の子どもの教育を行うだけでない対応がなされ、幅広い障害理解を持ち、多様な障害児を指導できることがもとめられている。特別支援免許を取得することは将来教壇に立つ者として、直接障害児教育を担当しないとしても、通常教室にも聴覚等障害がある子が在籍したりすることもあり、また交流学習、共同学習などの実施がもとめられるなかで内容的に必要になり、活用できるものとなる。
この授業は特別支援教育免許に対応する「心身に障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程および指導法に関する科目(聴覚障害)」に該当する内容を講義する。
講義の内容、進め方としては
①聴覚障害教育の基本的事項、聴覚の障害の概要や言語の獲得の課題などを解説し、この教育に対する関心を高めるようにする。
②教育課程の理解をはぐくむために、学習指導要領や実際のろう学校の教育課程をもとに具体的に講義する。
③指導法に関しては幼稚部から高等部段階の指導の実際、そして教科の指導法や種々のコミュニケーションの活用法を講義する。簡単な手話の実技やICTの活用についても講義する。
④聴覚障害教育に関連する内容として保護者支援や生涯学習等の内容を含めてを解説する。
以上の内容で、聴覚障害関係の教育現場に配置されたり、聴覚障害の児童生徒と出会うことになっても自信をもってスタートできる知識、構えを持って貰いたい。
①聴覚障害児の障害の概要や発達に即した支援システム、および教育課程に関する基本的な事項を理解できるようになる。
②将来に教職に就くものとして聴覚障害の現場で行われている教育指導そして、聴覚活用や口話、手話の意味や位置づけを理解し、その初歩的な指導技術を習得することができる。
③聴覚障害に関連する福祉や就労に関しての知識を得て、聴覚障害教育との関連が理解できるようになる。
レポート30% 期末テスト70%
出席が10回未満の者には単位は付与しない。やむを得ない事情以外、遅刻早退を認めない。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | テキスト…特に指定しない。毎回の講義プリントと随時プリントを配布する。 参考文献…授業内容に即し、随時資料を配布したり、文献を紹介する。 | ||
参考文献 |
①紹介された図書を読解する。
②授業ごとに配られるプリントを見直し、十分理解できるようにまとめなおす。
③聴覚障害関係のテレビ番組の視聴。
④自分の出身地ないし、近辺の聴覚障害教育を行っている学校のホームページを調査する。
東京都のろう学校のホームページを随時閲覧し、現在の学校状況、特色ある教育の把握をする。
聴覚障害は外見上その障害が分かりにくい障害である。そのために障害の大変さが障害者本人の周辺や社会に認知されにくいことがある。是非、講義だけではなく、聴覚障害学生と交流する機会、ノートテイクの支援をするなどの活動を担ってほしい。ろう学校での学校公開や文化祭などに積極的に訪問し、現場を知り、講義を深めてほしい。
教材としてスライドを用いたり、手話も使って授業を進めたりもするので視線を講師やスライドに集中させることがないもの、私語をするものは授業の参加を認めないこともある。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 授業のオリエンテーションと聴覚障害教育の一般的な知識 |
第2回 | 聴覚障害とは、障害の病理・心理(聴覚障害児の言語獲得上の困難性、課題を含む) |
第3回 | 聴覚障害教育の歴史と制度、および現状(教育体制の変遷・教育方法の変遷・今日の課題) |
第4回 | 早期教育と乳幼児教育相談、手話導入、人工内耳の課題 |
第5回 | 聴覚障害教育の教育課程の概要と言語指導とコミュニケーション |
第6回 | 幼稚部の教育 |
第7回 | 小学部の教育 |
第8回 | 中学部の教育および教科等の指導上の留意点 |
第9回 | 高等部、専攻科の教育および指導における板書、ICTの活用 |
第10回 | 通常の小・中・高等学校における聴覚障害教育 |
第11回 | 高等教育(大学等)における聴覚障害学生と支援上の課題 |
第12回 | 聴覚障害教育における重複障害指導 |
第13回 | 聴覚障害教育における生徒指導、進路指導と職業問題 |
第14回 | 聴覚障害者の社会生活と生涯教育 |
第15回 | 最終試験とまとめ 各回に短時間時間をとり、学校現場で有効な簡単な手話表現を学んでいく。 |