担当者 | 工藤 則光教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-204 |
①先ずイタリア戦争期の歴史を取り上げる。特に同時期に誕生した次の4人に焦点を合わせて、いくつかのテーマについて講義する。つまり、ヴァロワ=アングレーム朝フランスのフラソワ1世、テューダ朝イングランドのヘンリ8世、ハープスブルク朝(アブスブルゴ朝)神聖ローマ帝国及びスペインのカール5世(カルロス1世)、オスマン帝国(オスマン朝)のスレイマン1世である。次にフランスの宗教戦争(高校世界史では「ユグノー戦争」)を取り上げ、王権論を中心に国際関係も含めて論じる。最後にフランスとスペインを中心に17世紀前半における寵臣政治を講義し、近世における「政治社会」をまとめたい。
②できるだけ内外の西洋史研究者についても紹介したい。それは、歴史研究に限らないことだが、学問においては先行する研究史を無視することができないからである。
③教材として英文の史資料を取り上げ、英語読解力の向上の一助としたい。
①西洋前近代史について基本的知識を獲得すること。
②世の中の動きを歴史的に考えるための視点を身につけること。
③西洋史を日本語だけでなく最低限英語で読んで考えることが重要であるということを認識する。
受講者数にもよるが、原則小リポート・小テスト・授業への積極的参加など50%と期末テスト50%で評価する。
①小リポートは基本的に講義中に提出するリアクション・ペーパーを指し、受講者数にもよるが、原則毎回実施する。
②期末テストは定期試験日に行われることもある。
③英語力自体は成績に反映させない。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 使用しない。 | ||
参考文献 |
①関連する参考文献・論文が多いので、適宜紹介する。そうした文献・論文以外に授業内容の理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり見たりするとよい。また、現在日本や世界で起きていることに関心を持つこと。最低限一日1回はニュースをチェックして動向なりを押さえておくこと。この授業とは直接関係ないかもしれないが、色々な意味で過去と現在はつながっているので、意外な接点に驚くこともあるだろう。
②日本史を専攻する教職志望者は世界史Bの教科書を今一度読んでおくこと。
①講義で取り上げた日本語参考文献・論文をできるだけ読んでみること。また、英文を提示されたなら、事前に日本語訳をする努力をしてもらいたい。
②西洋史コース以外の学生の履修を認めるが、扱う内容は高校教科世界史Bにおいて全く取り上げられていない事項などが多いので、それなりの覚悟をもって受講すること。
③卒論は文庫や新書だけを読んで書くことができないので、早い時期から専門書および専門論文を読んで、読書が苦にならないようにすること。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス:①授業の進め方・評価方法など。 Ⅰ.前史 1.英仏史 |
第2回 | Ⅰ.前史 2.神聖ローマ帝国及び西史 |
第3回 | Ⅰ.前史 3.オスマン帝国史 |
第4回 | Ⅱ.イタリア戦争期の歴史:通史① |
第5回 | Ⅱ.イタリア戦争期の歴史:通史② |
第6回 | Ⅱ.イタリア戦争期の歴史:通史③と解釈 |
第7回 | 特論:ルネサンス王政論 |
第8回 | Ⅲ.宗教戦争史① |
第9回 | Ⅲ.宗教戦争史② |
第10回 | Ⅲ.宗教戦争史③とその解釈 |
第11回 | 特論:マルグリット・ドゥ・ヴァロワ(王妃マルゴ) |
第12回 | Ⅳ.17世紀前半における寵臣政治 1.前史 |
第13回 | Ⅲ.17世紀前半における寵臣政治 2.フランスとスペインを中心に。 |
第14回 | 特論:複合君主政、もしくは礫岩のような国家 |
第15回 | まとめと期末テスト |