西洋史特殊講義2B-Ⅰ
担当者工藤 則光教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHEA-203

授業の概要(ねらい)

①百年戦争期のフランスとイングランドを中心に西欧(西ヨーロッパ)、南欧、北欧に関わるいくつかのテーマについて講義する。春期(西洋史特殊講義2A‐Ⅰ)では中世史を中心に講ずる。テーマによっては内外でかつて論争となった問題や現在論争中の問題があるので、現在の研究水準と照らし合わせて紹介する。ただし、春期は自分の専門(フランス近世史)といえないテーマを扱うので、できるだけ内外の状況を「客観的に」紹介することを主眼とする。
②できるだけ内外の西洋史研究者についても紹介したい。それは、歴史研究に限らないことだが、学問においては先行する研究史を無視することができないからである。
③教材として英文の史資料を取り上げ、英語読解力の向上の一助としたい。

授業の到達目標

①西洋前近代史について基本的知識を獲得すること。
②世の中の動きを歴史的に考えるための視点を身につけること。
③西洋史を日本語だけでなく最低限英語で読んで考えることが重要であるということを認識する。

成績評価の方法および基準

 受講者数にもよるが、原則小リポート・小テスト・授業への積極的参加など50%と期末テスト50%で評価する。
①小リポートは基本的に講義中に提出するリアクション・ペーパーを指し、受講者数にもよるが、原則毎回実施する。
②期末テストは定期試験日に行われることもある。
③英語力自体は成績に反映させない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書使用しない。
参考文献『中世英仏関係史 1066-1500 ノルマン征服から百年戦争終結まで』(2012年)朝治啓三・渡辺節夫・加藤玄編創元社
参考文献『百年戦争ー中世末期の英仏関係』(2010年)城戸毅刀水書房

準備学修の内容

①関連する参考文献・論文が多いので、適宜紹介する。そうした文献・論文以外に授業内容の理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり見たりするとよい。また、現在日本や世界で起きていることに関心を持つこと。最低限一日1回はニュースをチェックして動向なりを押さえておくこと。この授業とは直接関係ないかもしれないが、色々な意味で過去と現在はつながっているので、意外な接点に驚くこともあるだろう。
②日本史を専攻する教職志望者は世界史Bの教科書を今一度読んでおくこと。

その他履修上の注意事項

①講義で取り上げた日本語参考文献・論文をできるだけ読んでみること。また、英文を提示されたなら、事前に日本語訳をする努力をしてもらいたい。
②西洋史コース以外の学生の履修を認めるが、扱う内容は高校教科世界史Bにおいて全く取り上げられていない事項などが多いので、それなりの覚悟をもって受講すること。
③卒論は文庫や新書だけを読んで書くことができないので、早い時期から専門書および専門論文を読んで、読書が苦にならないようにすること。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:①授業の進め方・評価方法など。②ヨーロッパ諸国とその首都を地図で確認する。
第2回Ⅰ.中世末期までの西ヨーロッパ史概観1:フランスとイングランドを中心に。
第3回Ⅰ.中世末期までの西ヨーロッパ史概観2:フランスとイングランドを中心に。
第4回Ⅱ.百年戦争期の歴史:1.カペー朝からヴァロワ朝への王位継承
第5回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史①前期百年戦争期
第6回特論:黒死病
第7回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史②前期百年戦争期
第8回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史③前期百年戦争期
第9回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史④後期百年戦争期
第10回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史⑤後期百年戦争期
第11回特論:ジャンヌ・ダルク
第12回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史⑥後期百年戦争期
第13回Ⅱ.百年戦争期の歴史:2.通史⑦後期百年戦争期
第14回特論:ブルゴーニュ公国
第15回まとめ他と期末テスト