ヨーロッパ経済論特講Ⅰ
担当者古内 博行
単位・開講先選択  2単位 [経済学研究科 経済学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 この講義では第二次大戦後のヨーロッパ経済の動向をヨーロッパ経済統合の進展と関わらせながら説明する。世界資本主義の歩みのなかで独自の発展軌跡を描くヨーロッパ経済を明らかにしながら、最近における欧州債務危機やユーロ圏、EU経済の基軸たるドイツ経済の立ち位置にも言及する。

授業の到達目標

 第二次大戦後におけるヨーロッパ経済の独自な発展軌跡を深く理解してもらう。

成績評価の方法および基準

 出席と試験による評価。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは用いない。
参考文献参考文献は講義のなかで適宜紹介する。

準備学修の内容

 講義では毎回レジュメを配布するので復習するのと合わせて次に備えてほしい。講義のなかで疑問に思うことやレジュメで自分に突き刺さる章句については自ら調べること。その営為に比例して学問への関心が深まります。

その他履修上の注意事項

 ヨーロッパ経済に関するメディアの報道に主体的に関心を向けてください。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション。ヨーロッパ経済の課題と視角
第2回 マーシャル・プランとヨーロッパ経済の復興
第3回 ヨーロッパ経済統合の進展と域内貿易の急伸
第4回 関税同盟の経済的成功とテクノロジー・ギャップ・クライシス
第5回 石油危機とスタグフレーションの決定的構造化
第6回 産業構造の立ち遅れとEC経済の地盤沈下
第7回 日・EC貿易摩擦の発生と先端産業の構造的劣位
第8回 市場統合への歩みと経済再生の模索
第9回 1992年市場統合の経済論理
第10回 通貨統合の歩みとユーロの誕生
第11回 通貨統合のマジックと新たな錬金術の出現
第12回 南欧諸国の国家債務危機と銀行危機
第13回 ECB・ESMのコンビ発足とトロイカ体制の内実
第14回 欧州債務危機とドイツの試練
第15回 まとめと総評