英語学Ⅳ
担当者吉田 浩二教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングENL-304

授業の概要(ねらい)

 英語という言語が、どのような道筋を経て現在のような形をとるに至ったかを、歴史上の出来事と関連付けながら概説します。何百年も前の英語も登場しますが、高等学校で古文・漢文を学んだように、英語の古典を読めるようにすることが目的ではありません。英語という言語の歴史的発達を眺めることで、「言語は変化し続ける」という性質を、実感してもらえればと思います。
 また、ただ講義をきいて、「へえ~、そうなんだ」といった感想で終わらせないため、毎回、講義の内容に関連した英文を読んでいきます。

授業の到達目標

 1.英語という言語の発達に大きな影響を与えた歴史上の出来事の内、幾つかを説明できる。
 2.言語学の知見を、効率的な英語学習に役立てる。例:英語の綴りと発音の対応
 3.やや専門的な英文を読んで、大意を理解できる。

成績評価の方法および基準

 原則として、期末試験100%で評価します。試験には、ノート・参考書・配布プリント・(紙製の)辞書など、ほぼすべて持ち込み可です。ただし、スマホなど通信機器・電子機器類は禁止です。合格ラインは、概ね50点程度です。もしも、授業が難しくて試験ができるか不安だという場合には、試験前に(希望者だけが提出する)レポート課題を与えます。試験当日に課題を提出すれば、試験での不足分を多少補うことができます。ただし、このレポートは、授業内容の復習をかねて出す課題であり、「授業に出なくても、レポートを出せば単位が取れる」という意味ではありませんので、誤解しないで下さい。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 テキストは使わず、必要に応じてプリントを配布します。
参考文献 The Adventure of EnglishMelvyn BraggHodder and Stoughton

準備学修の内容

 教科書がないため予習は不要ですが、その分復習が必要です。授業では、大まかな流れ・重要なポイントしか板書しません。キーワード等を出発点に、図書館の参考書を利用して発展学習をすると、より理解が深まり、大学生らしい勉強になります。

その他履修上の注意事項

 旧カリキュラムまたは他学部で履修する場合は、『英語史』に相当します。カリキュラムによって配当年次が異なるので、注意してください。参考までに、旧カリキュラムにおける合格率は、2016年度が約69%、2017年度が約74%でした。2018 年度は約85%にアップしましたが、受講者の9割を占めていた4年生が「卒業のために頑張った」ためと思われます。決して楽な科目ではありません。自ら「何かを学び取りたい」という意欲に欠ける人は、他の授業を探すことをお勧めします。また、授業妨害とみなされる行為があった場合は、期末試験の受験資格を剥奪します(ので、当然不合格となります)。

授業内容

授業内容
第1回 国際語としての英語
第2回 英語のルーツ(1)…印欧祖語
第3回 英語のルーツ(2)…ゲルマン人の侵入
第4回 古英語期(1)…基本語彙とケルト人・ローマ人の影響
第5回 古英語期(2)…ヴァイキングの襲来
第6回 中英語期(1)…ノルマン人による征服
第7回 中英語期(2)…チョーサーの時代
第8回 近代英語期(1)…印刷技術とルネサンス
第9回 近代英語期(2)…大母音推移
第10回 近代英語期(3)…本格的な辞典・文法書の登場
第11回 現代英語期…自由民権運動・科学技術の急速な発展
第12回 米語と英語…語彙・発音・文法などの相違点
第13回 オーストラリア・ニュージーランドの英語
第14回 その他、様々な国の英語…アジア・アフリカの旧植民地
第15回 まとめと期末試験