憲法特講Ⅰ
担当者鬼頭  誠教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPUL-201

授業の概要(ねらい)

 憲法が日本国の基本法中の基本法であること、また、主権者である日本国民が制定・改正するべき法であることを理解することにこの講義最大のねらいがあります。
 日本国憲法は世界各国の憲法の中でも異例の長期間、つまり1947年に施行されて以来今日まで71年間、細かいミスも含めて多々の不備欠陥があるにかかわらず、一言半句も直されずにきました。たとえば原文は1946年当時の「現代語」であるため、一般国民には読めない漢字等が満載され、一刻も早い現代用語への改正が必要です(市販の六法は出版社の責任において現代用語に改編されています)。
 修正・改正がなされない最大の原因は、憲法制定権力者である国民に主権者意識が希薄なことです。講義を通じて、受講者がその現状を体感し、修正案について具体的に考えることを促します。
 憲法は、国会議員が制定する民法や刑法などの法律とは大きく異なります。なぜなら、憲法はわたしたち国民の「国民投票」によって改正されるものだからです。したがって、国会議員でもない普通の国民であっても、全103か条の憲法各条には目を通し、大まかでもその内容を知って、問題点に気づいていることが望まれます。
 憲法は、就職活動において、また一般職の公務員、警察官・消防官・自衛官などの試験でも、知識が試されますから、授業は、主権者国民としての教養や就活・試験に役立つ知識を培うことも考えながら進めます。
 憲法特講Ⅰでは、第40条まで、つまり「天皇」「戦争の放棄」「国民の権利及び義務」を主に勉強します。
 授業は毎回録画録音され、講義終了後、LMSで視聴することが可能です。

授業の到達目標

 ①入門的であり、かつ、発展的な講義内容の理解
 ②主権者としての意識が向上する

成績評価の方法および基準

 授業内総合評価(出席、発言、レポート等)50%と期末試験50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書電子書籍『初学者が分かる解説日本国憲法』(2017年 読売電子書籍用テキスト)毎回LMSで配信します。読売新聞憲法問題研究会編
参考文献『憲法概説』(2017年)3,240円松浦一夫ほか編著成文堂
参考文献『憲法 第六版』(2015年)3,348円芦部信喜著・高橋和之補訂岩波書店
参考文献『世界の憲法を知ろう』(2016年)1,620円西修著海竜社

準備学修の内容

 LMS配信のプリントを中心に、授業のあったその日のうちに習ったことを確認しておきます。復習が中心ですが予習もすれば興味は大いに高まります。この積み重ねを着実に実行しておけば、期末試験は余裕で臨めます。

その他履修上の注意事項

 シラバスは目安で、適宜変更することがあります。近年まで政治・外交・憲法担当の新聞記者でしたので、日々の新聞報道を活用した授業を心がけます。
 授業中の行動はすべて就活に直結すると考えて、礼儀正しく、建設的、現実直視で授業に臨みましょう。

授業内容

授業内容
第1回 憲法前史
第2回 第1章天皇(女性の皇位継承)
第3回 第2章戦争の放棄(集団的自衛権)
第4回 人権総論
第5回 国籍と外国人(外国人参政権)
第6回 公共の福祉(非常事態の際の人権)
第7回 法の下の平等(被害者の権利)
第8回 信教の自由(首相の靖国神社参拝)
第9回 表現の自由、学問の自由(報道の自由)
第10回 生存権(平和的生存権)
第11回 経済的自由・義務
第12回 社会権(公務員の労働基本権)
第13回 人身の自由(死刑)
第14回 おさらいと改正試作
第15回 おさらいと授業内試験