西洋思想Ⅱ
担当者宇多 浩教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングHIT-302

授業の概要(ねらい)

 この授業では、西洋の著名な思想家たちの思想に触れながら、西洋思想についての基礎的な教養を身につけることを目標とします。
 西洋の思想は、古代ギリシア・ローマの時代を起点とし、中世キリスト教・ルネサンス・近代の時代を経て、現代の思想に続いています。西洋思想は西洋文明・西洋文化全体に大きな影響を与えており、西洋文化を知るうえで、西洋思想の知識は欠かすことができません。皆さんが西洋文化を学ぶための前提として、西洋思想の基礎的な知識を身につけていただきたいと思います。
 授業では、一般向けに書かれた哲学書である『ソフィーの世界』をテキストとして用い、各章に登場する有名な思想家の思想を読み解いていきます(後期は近代哲学~実存哲学まで)。西洋の思想を学ぶことが目標ですが、同時に、ソフィーとヒルデの関係、二人の世界の交錯など、物語の生き生きとした展開も楽しんでいただきたいと思います。

授業の到達目標

・西洋の著名な思想家の思想について、その重要用語、基礎概念などを理解している。
・テキストを読みながら、それぞれの思想家の重要な主張を自分の言葉でまとめられる。
・『ソフィーの世界』の物語の展開を楽しむことができる。

成績評価の方法および基準

・平常点(約60%)、中間試験・期末試験(それぞれ約20%)で総合的に評価する予定。
・平常点は、ほぼ毎回使用するワークシートの出来によって評価する。
・原則として、欠席が5回を超えた学生は失格扱いとする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ソフィーの世界(新装版)上』ヨースタイン・ゴルデル 著NHK出版
教科書『ソフィーの世界(新装版)下』(途中から使用する予定)ヨースタイン・ゴルデル 著NHK出版
参考文献『「ソフィーの世界」哲学ガイド』須田朗 著NHK出版

準備学修の内容

 この授業では、ほぼ毎回、ワークシートを使用し、テキストの内容・要点をワークシートにまとめる作業をしていただきます。作業は授業中に行うこともありますが、原則として授業外の時間に行うことが基本となります。

その他履修上の注意事項

 西洋思想を初めて学ばれる学生を想定していますので、とくに前提知識は求められていません。しかし、授業で学ぶ内容にはかなり抽象的で難解な内容も含まれています。こうしたことも踏まえつつ、哲学的・思想的な文章を読む意欲のある方の受講を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回講義の概要
第2回イギリス経験論 (1) 経験主義とは? 生まれつきの観念(知識)は存在するのか? 一次性質・二次性質とは? (ロック)
第3回イギリス経験論 (2) 同一の「私」は存在するのか? (ヒューム) 外部の世界は存在しているのか? (バークリ)
第4回ビャルクリ ― ソフィーとヒルデの関係は? ソフィーは存在する?
第5回啓蒙主義(ここから下巻です) ― 啓蒙主義とは? ルソーの思想と人権思想
第6回カント (1) どのようにして世界を知るのか? 時間・空間はどこにあるのか? 理性を超えた問いにどのように答えるのか? 
第7回カント (2) 「道徳律(道徳法則)」とは? 道徳規則は例外を許さないのか? 定言命法と仮言命法
第8回ロマン主義 ― ロマン主義の特徴とは? シェリングと汎神論、ロマン主義と新たな歴史観
第9回まとめと中間試験
第10回キルケゴール ― 実存主義とは? 「客観的真理」と「主観的真理」、実存と信仰
第11回マルクス ― 人間の意識は何によって規定されているのか? 上部構造と下部構造、疎外と搾取・階級闘争とは?
第12回ダーウィン ― 自然主義とは? 進化はどのようにしておこるか? 進化論における人間観
第13回フロイト ― 無意識とは何か? 意識と無意識、自我と超自我、夢の分析
第14回サルトル ― 「実存」とは何か? 対自存在と対他存在、現象学
第15回まとめと期末試験