西洋思想Ⅰ
担当者宇多 浩教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングHIT-301

授業の概要(ねらい)

 この授業では、西洋の著名な思想家たちの思想に触れながら、西洋思想についての基礎的な教養を身につけることを目標とします。
 西洋の思想は、古代ギリシア・ローマ時代の思想を起点とし、中世キリスト教文化・ルネサンス文化・近代の思想を経て、現代思想に続いています。西洋思想は西洋の文化全般に大きな影響を与えており、西洋文化を知るうえで、西洋思想の知識は欠かすことができません。皆さんが西洋文化を学ぶための前提として、西洋思想の基礎的な知識を身につけていただきたいと思います。
 授業では、一般向けに書かれた哲学書である『ソフィーの世界』をテキストとして用い、各章に登場する有名な思想家の思想を読み解いていきます(前期は古代ギリシア~デカルトまで)。西洋の思想を学ぶことが目標ですが、同時に、ソフィーと哲学教師との対話・ソフィーが遭遇するさまざまな謎など、物語の生き生きとした展開も楽しんでいただきたいと思います。

授業の到達目標

・西洋の著名な思想家の思想について、その重要用語、基礎概念などを理解している。
・テキストを読みながら、それぞれの思想家の重要な主張を自分の言葉でまとめられる。
・『ソフィーの世界』の物語の展開を楽しむことができる。

成績評価の方法および基準

・平常点(約60%)、中間試験・期末試験(それぞれ約20%)で総合的に評価する予定。
・平常点は、ほぼ毎回使用するワークシートの出来によって評価する。
・原則として、欠席が5回を超えた学生は失格扱いとする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ソフィーの世界(新装版)上』ヨースタイン・ゴルデル 著NHK出版 2011年
参考文献『「ソフィーの世界」哲学ガイド』須田朗 著NHK出版

準備学修の内容

 この授業では、ほぼ毎回、ワークシートを使用し、テキストの内容・要点をワークシートにまとめる作業をしていただきます。作業は授業中に行うこともありますが、原則として授業外の時間に行うことが基本となります。

その他履修上の注意事項

 西洋思想を初めて学ばれる学生を想定していますので、とくに前提知識は求められていません。しかし、授業で学ぶ内容にはかなり抽象的で難解な内容も含まれています。こうしたことも踏まえつつ、哲学的・思想的な文章を読む意欲のある方の受講を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回講義の概要
第2回シルクハット ― 「問い」を立てることがどうして大切か? 哲学の「問い」を立てること、哲学にとって大切な「驚き」!
第3回神話から自然哲学へ ― 神話がもつ意味が何か? 神話と哲学の思考はどのように違うか? 自然哲学者たちの思想
第4回ソクラテス ― ソフィスト(=知恵ある人)と哲学者(=知恵を愛する人)はどこが違うのか? 「無知の知」とは? ソクラテスにとって死よりも大切なものとは?
第5回プラトン (1)  イデアとは何か? 感覚世界とイデア界、洞窟の比喩
第6回プラトン (2) 対話篇『パイドン』を読む。肉体と魂の二元論、魂の不滅について
第7回アリストテレス (1) 物の原因とは何か? 質料と形相、物の四原因
第8回アリストテレス (2) 『霊魂論』を読む。植物・動物・人間の違い、自然の梯子
第9回まとめと中間試験
第10回二つの文化圏 ― 西洋文明の二つのルーツ、イスラエルと旧約聖書、イエスの教え
第11回中世 ― 中世とはどのような時代か? 信仰と理性は調和できるか? アウグスティヌスとトマス・アクィナス
第12回ルネサンス ― ヒューマニズム(人文主義)とは? 新しい人間観と自然観(宇宙観)、ルターの宗教改革
第13回バロック ― バロック文化とは? バロック時代の思想
第14回デカルト ― 「われ思う、ゆえにわれあり」とは? 最も確実なものは何か? 物質と精神の二元論、心身二元論とその問題
第15回まとめと期末試験