西洋思想演習Ⅰ
担当者宇多 浩教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングSEM-311

授業の概要(ねらい)

 この授業は外国語学部英語コースを対象とした演習形式の授業です。今年度は講義科目「西洋思想」と同様に、『ソフィーの世界』をテキストとして使用しながら、西洋思想の歴史をたどっていきたいと思います。(*なお、テキストは4月以降に変更する可能性がありますので、まだ購入しないようにしてください。)前期の「西洋思想演習Ⅰ」では、おもに古代ギリシア~ヘレニズム時代の思想を扱う予定です。
 授業の目標としては、①西洋の主要な思想家の思想をたどりつつ、西洋思想の大まかな流れを理解すること、②各自の関心のもった思想家の思想を掘り下げて、自分なりに批判的に考察できること、の2つの目標を想定しています。西洋思想についての基礎的な素養を身につけつつ、それが「自己が生きること」にとってどのような意味をもつのか、について考えていただければと思います。

授業の到達目標

・西洋の主要な思想について、基本的な知識を身につけること。
・テキストを読みながら、それぞれの思想のエッセンスを自分の言葉でまとめられること。
・自分の関心のある思想家の著作を読み、その内容について発表できること。

成績評価の方法および基準

・平常点(ワークシート、ディスカッションへの参加度) … 約60%
・小発表 … 約40%

その他、授業へ参加する姿勢、授業への貢献度などを加味することがある。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ソフィーの世界(新装版)上』ヨースタイン・ゴルデルNHK出版 2011年
参考文献

準備学修の内容

・次週にあつかう章を読み、重要な論点をまとめてくる必要があります。
・授業の最後に発表を行いますので、関心のある著作を最低1冊以上、読んでおく必要があります。

その他履修上の注意事項

 この授業は西洋思想をはじめて学ぶ方を対象としていますので、特に前提知識などは必要とされません。ただ、テキストや文献を読解する課題を多く出しますので、きちんと読解して要点をまとめる作業が必要とされます。哲学的・思想的な文章にはかなり難解で抽象的な用語も出てきますが、こうした文章を読んで、人間存在について深く考える意欲のある方の受講を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、演習の進め方についての説明
第2回神話から哲学へ ― 神話と哲学はどこが違うのか?
第3回ソクラテス ― 「よく生きる」とは? 『ソクラテスの弁明』を読む
第4回プラトン (1) イデアとは? 洞窟の比喩、「美そのもの」は存在するか?
第5回プラトン (2) 魂の不死について、『パイドン』を読む
第6回プラトン (3) 徳と幸福、『国家』を読む
第7回アリストテレス (1) 質料と形相、4原因説
第8回アリストテレス (2) 自然の梯子、『霊魂論』を読む
第9回アリストテレス (3) 徳と幸福、『ニコマコス倫理学』を読む
第10回アリストテレス (4) 引き続き、『ニコマコス倫理学』を読む
第11回ヘレニズム時代の思想  (1) ストア派
第12回ヘレニズム時代の思想  (2) エピクロス派
第13回2つの文化圏 ― インド・ヨーロッパ文化圏とセム系文化圏
第14回小発表とディスカッション (1)
第15回小発表とディスカッション (2)