社会保険論Ⅱ
担当者前川  正教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-336

授業の概要(ねらい)

 社会保障は、国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民にすこやかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行う仕組みです。我が国は人口の減少・超高齢化が世界の国々の中で最も早く進んでいると言われており、今後我が国の社会保障は難しいかじ取りを迫られる局面が続くと思われます。一方で、目を世界に転ずれば世界経済の見通しは一層その不透明さを増してきています。格差の拡大も指摘されています。国民の生活を守り、社会の統合や政治的安定を図る社会保障の重要性は一層増してきております。社会保険論Ⅱでは、介護保険、年金、雇用保険、労働者災害補償保険の基本的な考え方や制度の特徴を理解します。また社会保障の歴史や構造を学習することで現在どのような課題を抱えており今後どう変化していくのかを考えていきたいと思います。これが授業の狙いとなります。授業は基本的に講義形式で行います。

授業の到達目標

①介護サービスを保障する介護保険の仕組みについて理解することができます。
②所得を保障する年金の仕組みについて理解することができます。
③失業した場合に所得を保障する雇用保険の仕組みについて理解することができます。
④業務上の事故について補償する労働者災害補償保険の仕組みについて理解することができます。

成績評価の方法および基準

①複数回の小テスト 20%
②試験       80%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『はじめての社会保障-福祉を学ぶ人へ[第15版]』(2018年) 椋野美智子・田中耕太郎 [著]有斐閣アルマ
参考文献『ちょっと気になる社会保障 増補版』 権丈善一[著]勁草書房

準備学修の内容

当日の講義は前回講義の各自の復習をもとに進めますので次のような準備学修課題を課します。
①前回講義で使用したパワポ資料は前回講義の翌日にはLMSにアップ、復習を兼ねてパワポ資料を熟読してください。
②講義内容に関連する文献等(各回講義の中で都度参考文献は紹介)の自主学習に取組んでください。
③当日の講義ではレジュメを配布しますので講義内容の重要点を補記し復習に活用してください。 

その他履修上の注意事項

①欠席及び公欠の扱いについては原則大学の規定にフォローします。
②他の受講生の迷惑にならないように最低限の授業におけるマナーは厳守してください。(特に私語は慎んでください)
③受講に対してとくに対応が必要な場合(病気・ケガ・障害)は遠慮なく申し出てください。
④授業をよりよくしていく上での建設的な意見・感想・コメントも遠慮なく連絡ください。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション-授業の進め方・成績評価の方法および基準・準備学修の内容等の概要、春学期試験の説明
第2回 介護保険(1) 介護サービスを保障する仕組み・保険者・被保険者と保険料
第3回 介護保険(2) 保険給付・介護提供体制・権利保護
第4回 年金(1) 所得を保障する仕組み・被保険者と保険料
第5回 年金(2) 老齢年金・財政方式
第6回 年金(3) 障害年金・遺族年金
第7回 年金(4) 年金の業務体制・企業年金
第8回 雇用保険(1) 失業した場合に所得を保障する仕組み・被保険者と保険料
第9回 雇用保険(2) 保険給付・雇用保険事業
第10回 労働者災害補償保険(1) 業務上の事故について補償する仕組み・適用事業と保険料
第11回 労働者災害補償保険(2) 業務上/通勤による災害の認定・保険給付・社会復帰促進事業
第12回 社会保障の歴史と構造(1) 日本の社会保障の歩み・社会保障の機能
第13回 社会保障の歴史と構造(2) 社会保障の財政・現在の社会保障の課題と今後の展望
第14回 講義内容の総まとめ(1)
第15回 講義内容の総まとめ(2)