担当者 | 平岡 克行教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | CIL-213 |
本授業では、会社法の基礎及びコーポレート・ガバナンスに関する法的規律について講義を行います。
会社法は技術的で細かい部分が少なくないため、難しい科目と思われ、敬遠されがちです。しかし、日本経済の大部分は株式会社が担っていることを踏まえれば、閉鎖的な中小企業から誰もが知る上場会社まで、株式会社がどのような原理・原則に従って運営されるべきか考えることは、学問的にも社会政策的にも非常に重要な問題となります。その原理・原則を扱うのが会社法であり、そこが会社法の面白い部分です。多くの学生も将来、株式会社に就職するかもしれません。身近な存在でもある株式会社を規律するルールを知っておくことは、皆さんの将来にも役に立つ知識となるでしょう。会社法では他の法学分野と異なり、解釈論も重要ではありますが、「社会的に望ましいルールは何か」という法政策を検討する場面が多々出て来ます。そのため、発展的な学習をしようとすると、伝統的な法律学とは異なる雰囲気を楽しむこともできます。
会社法Iでは主にコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する会社法の規律について学びます。具体的には、①会社法の基礎的な事項とその原理・原則、②株主・株主総会の権限、③取締役といった役員の権限・義務、④株式会社の運営・監督に関するルール、⑤企業統治のあり方に関する近年の議論、等を扱います。
近年、日本企業の不祥事がメディアを騒がせていますが、本講義でも実際にあった著名な事件を紹介しますので、受講者自身で法律上何が問題となっているのかをよく考えるようにしてください。
①会社法の基礎的な事項を理解し、説明できるようにすること。
②具体的な事案に関して、法律の適用・解釈上問題となる点を正しく指摘し、その点について判例・学説・自身の見解を説明できるようにすること。
学期末の試験によって成績を評価する(100%)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『会社法(第4版)』 | 伊藤靖史=大杉謙一=田中亘=松井秀征 | (有斐閣、2018年) |
参考文献 | 『会社法判例百選(第3版)』 | 岩原紳作=神作裕之=藤田友敬編 | (有斐閣、2016年) |
各回の授業内容をしっかりと理解しなければ、ついていくのが困難になる部分があります。授業をよく聞いて基本的な内容を理解すると同時に、テキストや配布した資料を十分に読み返して復習し、必要な知識を定着させるようにしてください。
また、初学者にとって、会社法の条文は必要な個所を見つけるだけでも困難なことがあります。復習の際にも必ず条文を確認するようにしてください。
・会社法の条文は複雑で長大であるため、六法を持参すること。
・授業中の私語や、他の受講生の迷惑になる行為は厳禁です。
・会社法Iを受講すれば、会社法IIも学修しやすくなります。両科目とも会社法の重要事項を取り扱っているため、併せて受講することを勧めます。
・会社法を学ぶ上で必要となる法律知識は、講義で説明します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 企業・会社の種類とその特徴 |
第2回 | 株式会社の特徴・基本原理とその機能 (株主有限責任、資本の払戻しの制限、株式自由譲渡性、所有と経営の分離) 株主利益最大化原則とステークホルダー論 |
第3回 | 会社法総則 (会社の法人格、会社の登記) 会社法の定義規定と機関設計に関するルール |
第4回 | 株式・株主・株主総会① (株主の権利、株主平等原則、利益供与の禁止規定) |
第5回 | 株式・株主・株主総会② (株式の内容についての特別な定め、種類株式制度) |
第6回 | 株式・株主・株主総会③ (株式の譲渡・担保化と権利行使の方法、投資単位の調整) |
第7回 | 株式・株主・株主総会④ (株主総会とその招集手続) |
第8回 | 株式・株主・株主総会⑤ (株主総会決議の瑕疵を争う方法) |
第9回 | 取締役・取締役会① (取締役の種類、選解任、義務と権限等) |
第10回 | 取締役・取締役会② (取締役会の運営、非取締役会設置会社の運営) |
第11回 | 監査役(会)・会計参与・会計監査人・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社 |
第12回 | 取締役と会社の利益衝突場面の法規制 役員等の義務 |
第13回 | 役員等の責任① (会社に対する責任、経営判断原則) |
第14回 | 役員等の責任② (対第三者責任) |
第15回 | コーポレート・ガバナンスに関する最近のトピックス まとめ ※上記はあくまで予定であり、進捗状況に応じて変更する可能性があります。 |