担当者 | 平岡 克行教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | CIL-214 |
本授業では、株式会社の資金調達や組織再編・M&Aに関する規律、その他の会社法の発展的事項について講義を行います。
会社法は技術的で細かい部分が少なくないため、難しい科目と思われ、敬遠されがちです。しかし、日本経済の大部分は株式会社が担っていることを踏まえれば、閉鎖的な中小企業から誰もが知る上場会社まで、株式会社がどのような原理・原則に従って運営されるべきか考えることは、学問的にも社会政策的にも非常に重要な問題となります。その原理・原則を扱うのが会社法であり、そこが会社法の面白い部分です。多くの学生も将来、株式会社に就職するかもしれません。身近な存在でもある株式会社を規律するルールを知っておくことは、皆さんの将来にも役に立つ知識となるでしょう。会社法では他の法学分野と異なり、解釈論も重要ではありますが、「社会的に望ましいルールは何か」という法政策を検討する場面が多々出て来ます。そのため、発展的な学習をしようとすると、伝統的な法律学とは異なる雰囲気を楽しむこともできます。
会社法IIでは主に株式会社の資金調達や組織再編・M&Aに関する規律、情報開示に関する法規制について学びます。具体的には、①新株を発行する際の法規制、②会社を設立する際の手続き、③企業会計法と情報開示に関する法規制、④合併や企業買収といった組織再編・M&Aに関するルール、⑤その他のM&Aに関する発展的な事項、等を扱います。
大企業の間で行われる企業買収(M&A)はニュースで取り上げられることが多く、また、創作物・ドキュメンタリーの類でも人気のテーマです。みなさんも「敵対的企業買収」という言葉を聞いたことがあると思います。本講義でも実際にあった著名な事件を紹介しますので、受講者自身で法律上何が問題となっているのかをよく考えるようにしてください。
①会社法の基礎的な事項を理解し、説明できるようにすること。
②具体的な事案に関して、法律の適用・解釈上問題となる点を正しく指摘し、その点について判例・学説・自身の見解を説明できるようにすること。
学期末の試験によって成績を評価する(100%)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『会社法(第4版)』 | 伊藤靖史=大杉謙一=田中亘=松井秀征 | (有斐閣、2018年) |
参考文献 | 『会社法判例百選(第3版)』 | 岩原紳作=神作裕之=藤田友敬編 | (有斐閣、2016年) |
各回の授業内容をしっかりと理解しなければ、ついていくのが困難になる部分があります。授業をよく聞いて基本的な内容を理解すると同時に、テキストや配布した資料を十分に読み返して復習し、必要な知識を定着させるようにしてください。
また、初学者にとって、会社法の条文は必要な個所を見つけるだけでも困難なことがあります。試験では条文を正しく引用する必要があるため、復習の際にも必ず条文を確認するようにしてください。
・会社法の条文は複雑で長大であるため、六法を持参すること。
・授業中の私語や、他の受講生の迷惑になる行為は厳禁です。
・会社法Iを受講していることが望ましい。両科目とも会社法の重要事項を取り扱っているため、併せて受講することを勧めます。ただし、本講義で必要となる会社法及びその他の法律学の知識は、その都度説明します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 会社法Iの内容確認 |
第2回 | 株式の発行① (授権資本制度、新株発行の手続) |
第3回 | 株式の発行② (新株発行の瑕疵を争う手続(1)) |
第4回 | 株式の発行③ (新株発行の瑕疵を争う手続(2)) 新株予約権・社債 |
第5回 | 会社の設立① (会社設立の手続) |
第6回 | 会社の設立② (設立中の法律関係、違法な設立、設立に関する責任) |
第7回 | 会社の計算① (企業会計法、計算書類、決算手続、分配可能額規制) |
第8回 | 会社の計算② (不実開示に関する役員の責任、自己株式の取得、会計帳簿・会社財産の調査) |
第9回 | 組織再編・M&A① (総説、組織再編・M&Aの手法の種類、債権者異議手続、株式買取請求権) |
第10回 | 組織再編・M&A② (合併、分割、事業譲渡) |
第11回 | 組織再編・M&A③ (株式交換、株式移転、定款変更、組織再編の瑕疵を争う方法) |
第12回 | 組織再編・M&A④ (公開買付け、買収防衛策) |
第13回 | 組織再編・M&A⑤ (少数株主の締め出し) |
第14回 | 持分会社 会社の解散・清算 |
第15回 | 株式価値・企業価値評価と会社法 まとめ ※上記はあくまで予定であり、進捗状況に応じて変更する可能性があります。 |