医事法A
担当者河嶋 春菜
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングNFL-311

授業の概要(ねらい)

医事法は統一の法典をもたず、多様な法領域にかかる法令が医療に関するルールを定めています。したがって、医事法の基礎を学ぼうとする本講義で医事法のあらゆる側面を網羅的に取り扱うことは大胆・拙速にすぎるでしょう。そこで、本講義では、ひとまず医療行政法と呼ばれる領域に着目し、医療の提供のあり方について勉強したいと思います。授業では、憲法(とくに人権)や行政法の講義で学んだ内容に立ち返って考えるので、適宜、これらの講義で学んだ内容を復習するようにしてください。

授業の到達目標

1)医療をめぐる基本的な法理念を理解すること
2)医療についてどのような法律問題が生じており、どのような規制によって解決が図られているかを理解すること
3)以上について、法律用語を使いつつ、自分の言葉で説明できるようになること

成績評価の方法および基準

期末試験70%
平常点30%(小テストなど、予習・復習を行っていることを確認するための課題もここに含みます)
出席はとりません。しかし、授業中に教員から求められ発言をした場合には平常点の範囲内で加点します。一方、他の履修生・教員への迷惑行為は減点の対象とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『医事法入門(第5版・有斐閣アルマ)』手嶋豊有斐閣(2018年)
参考文献『医事法判例百選(第2版)』甲斐克則・手嶋豊(編)有斐閣(2014年)
参考文献『医事法講義』米村滋人日本評論社(2016年)

準備学修の内容

予習:教科書の該当箇所を読んでおく
復習:授業ノートと教科書、参考文献の該当箇所を再度読み、鍵となる用語・考え方を用いながら、自分の言葉で授業内容をまとめる

その他履修上の注意事項

本講義は、「憲法」(とくに人権)や「行政法」の講義を履修済みであることを前提に授業をすすめます。適宜、これらの講義で使用した教科書・参考書や講義の内容を復習するようにしてください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回総論(医事法の基本的な考え方・法源)
第3回医療を担う主体①(医療従事者に関する法とその構造、資格制度)
第4回医療を担う主体②(医業独占)
第5回その他医療関係者(医業類似行為)
第6回医師の義務
第7回医療機関①(総論、医療機関の開設に関する規制)
第8回医療機関②(医療機関の広告に関する規制)
第9回医療事故①(民法・刑法・行政法からみた医療事故の法的構成)
第10回医療事故②(医療事故調査制度、医療事故被害者の救済)
第11回診療情報の保護
第12回医薬品・医療機器①(医薬品の開発研究規制・製造販売承認)
第13回医薬品・医療機器②(医薬品の流通・販売に関する規制)
第14回まとめ
第15回試験と解説