担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 4単位 [文学研究科 臨床心理学専攻] | |
科目ナンバリング |
保健医療分野における心理職は、心理療法・心理援助、心理アセスメント等の発展や現場の要請などからその仕事や役割を拡大し続けている。この授業では、保健医療分野に関わる公認心理師の実践に必要と思われる事項について、文献とディスカッションを通してその基礎を身につける。前半は、保健医療における公認心理師の基礎知識とその理論の大枠を学ぶ。後半は、保健医療での支援において共通する本質的なテーマを取り上げたテキストの講読とディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践における基本的な視点、姿勢、役割意識を身につける。基本知識の習得のため、授業期間中に精神医療用語テストを行う。合格点を突破することが求められる。
1)保健医療分野における公認心理師の実践に関する基本的な視点、知識、姿勢を身につける
2)保健医療分野で行われている種々の心理的援助について理解する
3)医療と地域保健の相互関係について理解し、チームで援助を行っていく際の全体の布置をイメージすることを通して、心理職としての役割意識を明確にする
発表・ディスカッション40%、リアクションペーパー・レポート40%、精神医療用語テスト20%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『精神科臨床とは何かー日々新たなる経験のために』 | 内海健著 | 星和書店、その他、授業内で提示された文献 |
参考文献 | 『心の臨床家のための必携 精神医学ハンドブック』 | 小此木・深津・大野編 | |
参考文献 | 『公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法』 | 下山・中嶋編 |
文献は発表者のみならず履修者全員が読み込み、疑問点、ディスカッションテーマをもつこと。
その際、単に知的に理解するだけでなく「全身で味わう」こと。
受動的に読む、聴くだけでなく「自分自身や身近な他者の具体的な経験・事柄に照らして考える」こと。
わかることだけでなく「わからないことに気づく」こと。
わからなかったことは,自ら積極的に調べたり,質問したりすること。
医療、精神保健、さまざまな年代、地域に関わるニュースに関心をもつこと。
意欲的、積極的な発言と参加を求めます。
心理臨床の実践は、一人前になるために少なくとも10年はかかると言われています。履修後も継続して学び続けることができるよう,授業を通して「わかったこと」「修得できたこと」以上に,「わからなかったこと」「修得できなかったこと」が何かを理解できるようになることが大切な目標の1つです。
理論編では、感じ考えたことを“言葉にしていく”ことのトレーニングとして、毎回のリアクションペーパーの提出を求めます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション:保健医療分野における心理援助と“つなぐこと”・発表者決め |
第2回 | 保健医療に関する理論1:チーム医療1―治療関係論 |
第3回 | 保健医療に関する理論2:チーム医療2―治療構造論 |
第4回 | 保健医療に関する理論3:チーム医療3―医療スタッフ間の連携 |
第5回 | 保健医療に関する理論4:地域保健―リハビリ・リワーク・ひきこもり・生活支援等 |
第6回 | 保健医療に関する理論5:高齢者保健―認知症・介護問題への心理的アプローチ |
第7回 | 保健医療に関する支援1: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第8回 | 保健医療に関する支援2: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第9回 | 保健医療に関する支援3: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第10回 | 保健医療に関する支援4: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第11回 | 保健医療に関する支援5: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第12回 | 保健医療に関する支援6: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第13回 | 保健医療に関する支援7: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第14回 | 保健医療に関する支援8: 発表・ディスカッションを通して、保健医療分野にかかわる公認心理師の実践の基礎を学ぶ |
第15回 | まとめと展望 |