担当者 | 小林 成弘教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経営学科] | |
科目ナンバリング | ECP-331 |
本講座では、日本における国土開発政策の変遷、都市化問題と地方過疎問題、地方財政・地域分権問題、官民による地域おこしの取り組みの現状などについて学ぶとともに、地域開発投資の投資採算評価や地域経済効果の測定問題などについて実習を行います。
春期は、戦後の政府主導による国土開発計画の歴史を辿りながら、戦後高度経済成長のなかで表面化してきた地域格差問題(都市化と地方過疎化)や公害問題、都市の混雑問題、インフラ問題などを紹介します。
秋期は、近年の地域再生プロジェクトを紹介するとともに、今日地方経済にとって重要な課題となっている地方財政問題や地方分権問題を取り上げながら、近年民間活力を生かした地域活性化策として普及してきたPFI(Project Finance Initiative)やPPP(Public Private Partnership)方式による地域社会資本整備の現状について学びます。 また、地域開発プロジェクトを進めていくうえで欠かせない事前評価問題を取り上げ、投資採算の評価手法や企業会計(複式簿記)の基礎を学ぶとともに、モデルケースを用いて①CFS法(Cash Flow Simulation Method)による事業の成立可能性評価(財務評価)、②市域産業連関表を用いた地域経済波及効果の評価(政策評価)のシミュレーションを行います。
地域問題に対する理解を深めるとともに、地域問題解決のための分析ツールや理論を学ぶことを通じて、地域経済を考えるうえで必要な基礎知識を習得します。
期末に行うペーパーテストの結果を成績評価の基礎点とし、これに普段の授業への取り組み姿勢(出席状況、義務的課題の実施状況、任意レポート提出など)をボーナス点として加算して総合評価を行います。ただし、以下の事項に該当する場合は大幅減点となります。
①授業中の私語など他の学生に影響を与えるあらゆる「迷惑行為」
②授業中およびテスト時におけるあらゆる「不正行為」
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 【テキスト】特に指定しません。その他の参考文献は、講義に都度紹介します。 | ||
教科書 | |||
参考文献 | 『国土計画を考える』 | 本間義人 | (中高親書) |
参考文献 | 『地域再生』 | 香坂玲 | (岩波ブックレットNo.851) |
参考文献 | 『地域再生の経営戦略』 | 日本政策投資銀行 | (金融財政事情研究会) |
参考文献 | 『地域プロジェクトの財務』 | 日本政策投資銀行 | (ぎょうせい) |
講義は基本的にパワーポイントを使って進めます。 パワーポイントの資料はその都度縮刷版をプリント配布しますが、その内容は多岐にわたり分量も多くなりますので授業に出席せずに後で資料だけに頼って勉強しようとしても重要なポイントを絞れず講義の全体像を掴むことは到底不可能です。 必ず毎回授業に出席して講義をしっかり聴き、メモをとり、何が重要なのか、どのように話が展開されるのかを自分の頭で整理しながら理解していくように努めて下さい。 なお、講義内容について各自の理解を深め知識の定着を図るため、授業の際に練習問題プリントを配布することがあります。 特に提出は求めませんが、聴講生はそれら課題を自宅で自主的に取り組んでみることを強く勧めます。
単に授業を聞くという受け身の姿勢ではなく、講義を通して自分の関心や疑問を掘り起こし、原典や関連文献、または統計データに直接あたって調べ確認してみるといった積極的な姿勢で取り組むことを期待します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス/戦前の帝都東京開発 |
第2回 | 戦後復興と集団就職 |
第3回 | 東京五輪と首都圏開発 |
第4回 | 「国土総合開発法」と地域開発 |
第5回 | 所得倍増計画と一全総(第一次全国総合開発計画) |
第6回 | 高度経済成長が生んだ歪 |
第7回 | 列島改造と二全総 |
第8回 | ニクソンショックとオイルショック |
第9回 | 田園都市国家構想と三全総 |
第10回 | 中曽根行革と外圧 |
第11回 | 東京一極集中と四全総 |
第12回 | 平成バブルと首都圏移転問題 |
第13回 | バブル崩壊と都心回帰 |
第14回 | 地域中心市街地の衰退 |
第15回 | まとめ/テスト |