知的障害者教育概論
担当者神田 基史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングSNE-203

授業の概要(ねらい)

 【選択科目】【特別支援教育に関する科目・特別支援教育領域に関する科目・心身に障害のある幼児児童又は生徒の教育課程及び指導法に関する科目】
 昭和54年の養護学校教育の義務制の実施以降、全ての障害のある児童生徒、さらにいくつかの障害を併せ有する(重複障害)児童生徒が、学校教育を受けている。また、平成19年からは、学習障害(LD)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症など、通常の学級に籍を置く発達障害のある子どもの教育も含めた特別支援教育が進められている。
 障害のある児童生徒を理解することは、容易ではないが、理解することから、具体的な教育が始まるのである。
 本講では、知的障害児を中心に、各種の障害の理解、障害に応じた教育内容、指導方法に関して法令・制度及び具体的な指導事例に関する講義とともにビデオ視聴・グループ討議等を行なう。

授業の到達目標

 知的障害児を中心に特別支援教育に関わる教育資料、教育法令及び新・旧小学校・中学校・特別支援学校学習指導要領等をもとに特別支援教育制度の概要、各種の障害の理解、特別支援学校・学級の教育内容、指導方法について理解する。さらに、基礎的環境整備、合理的配慮などの新しい概念について、具体的な教育計画、指導事例をもとに現場での対応の在り方を考える。

成績評価の方法および基準

 レポート20%・試験30%(第15回授業内試験)・ポートフォリオ50%により総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『特別支援学校学習指導要領(平成29年4月)』文部科学省
参考文献『特別支援学校学習指導要領解説総則等編 幼稚部・小学部・中学部』文部科学省
参考文献『特別支援学校学習指導要領解説総則等編 高等部』文部科学省
参考文献『特別支援学校学習指導要領解説自立活動編 幼稚部・小学部・中学部・高等部』文部科学省
参考文献『新学習指導要領及びその解説』文部科学省HP

準備学修の内容

 1 授業の内容について予習・復習を行い、課題や疑問点を調べる。
 2 レポート課題等は、論拠を明確にして具体的に考え・意見をまとめる。
 3 関係法規、特別支援学校学習指導要領・解説の必要箇所を整理し、特別支援教育の基礎基本の習熟に努める。

その他履修上の注意事項

 1 障害のある幼児児童生徒、障害者に関するテレビ番組、新聞記事に関心をもってほしい。
 2 第1回目の授業において、授業の進め方、資料収集の方法、参考文献、評価等について説明する。
 3 宿題・遅刻・授業中の態度等については、自ら留意すること。
 4 できる限り、ボランティア活動、学習指導補助、行事の指導員等を通して、障害のある児童生徒、障害者と接する機会を設けて欲しい。

授業内容

授業内容
第1回 「特別支援学校の教育について」(講義)
 知的障害とは、教育の場、学習上の特性、学習指導要領の構成
第2回 「特別支援学校の教育課程について」(講義)
 特別支援学校(知的障害)の教育課程の特色
第3回 「領域・教科を合わせた指導について」(講義)
 生活単元学習、日常生活の指導、作業学習、遊びの指導
第4回 「特別支援学校(知的障害)の週日課表(時間割)について」
 資料収集
第5回 「特別支援学校(知的障害)の週日課表(時間割)について」
 意見交換 レポート提出
第6回 「都立特別支援学校(知的障害)の授業参観」
 レポート提出
第7回 「個別の指導計画について」(講義)
 個別の指導計画の必要性、実態把握から指導計画作成
第8回 「教科別の指導について」
 各教科の内容の特色、指導計画
第9回 「教科書について」
 教科書について感想をまとめる―国語、算数・数学、音楽― レポート提出
第10回 「教科書について」
 教科書の教材をもとに、教材・教具を考える
第11回 「自立活動について」(講義)
 自立活動の概要、知的障害教育における自立活動の考え方
第12回 「交流及び共同学習について」
 資料をもとに意見交換
第13回 「特別支援教育の動向について」(講義)
第14回 「今日的課題について」(講義)(外部講師:都立特別支援学校教員)
 レポート提出
第15回 まとめ 試験