演習Ⅰ
担当者渡部 瑞希教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

現在、世界では、発展途上国や過疎地域への経済支援・貧困削減をどのように手がけるべきかについて活発に議論されています。しかし、問題解決方法や政策提言を行う前に、支援を受ける国や地域の社会や経済、政治、すなわち「現場の事情」を深く知っておくことが重要です。
 そこで演習Ⅰでは、「現場の事情」を調査&分析するための方法論を学習します。方法論とは具体的には、①理論―人びとの暮らしを読み解く多様な経済システム(交換理論・道徳経済・連帯経済・贈与経済等)、②さまざまな人びとの相互関係―世界各国のNGO/NPO、行政、民間企業、ボランティア、学生、現地住民等、③夏季休暇中に行う現地調査計画(予定)とフィールドワーク方法論です。なお、今年度の調査実習先は岩手県・遠野市を予定しています。

授業の到達目標

・複数の経済システム理論を分析方法として、実践的な現場の理解に役立てることができる
・理論や事例研究の内容を理解し、発表・ディベートする自信と能力を養う
・現地調査のためのテーマ決定、調査計画、フィールドワークの方法論を学習する
・グループワークの中で、責任をもって自身の役割を果す

成績評価の方法および基準

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献ポラニー、カール2009『大転換―市場社会の形成と崩壊』東洋経済新報社サーリンズ、マーシャル2012『石器時代の経済学』法政大学出版局モース、マルセル2009『贈与論』ちくま学芸文庫
参考文献バナジー、A.V他2018『貧乏人の経済学』みすず書房和田信明他2010『途上国の人々との話し方』みずのわ出版佐藤寛、藤掛洋子編2011『開発援助と人類学―冷戦・蜜月・パートナーシップ』明石書店
参考文献信田敏宏他編2017『グローバル支援の人類学―変貌するNGO・市民活動の現場から』昭和堂遠野みらい創りカレッジ2014『学びあいの場が育てる地域創生: 産学官民の協働実践』文化とまちづくり叢書

準備学修の内容

文献調査・ノートまとめ等の事前学習を要します。また、方法論を学び取るためには、知識の習得だけでなく自ら積極的に調べ、発表し、ディベートに参与する必要があります。演習には毎回出席し、現地調査に備えるようにしてください。

その他履修上の注意事項

・夏季休暇中に岩手県遠野市への現地調査を予定しています。一定の時間と旅費が必要ですので、あらかじめ留意しておいてください
・ゲストスピーカを招くことがあります

授業内容

授業内容
第1回ゼミ生による自己紹介&ゼミの進め方
第2回担当者の紹介&ゼミ生による質問
第3回現地調査地の概要説明
第4回理論―再分配・互酬・交換(ディベート)
第5回理論―互酬性の類型(ディベート)
第6回理論―贈与経済(ディベート)
第7回グループ分け
第8回現場の事例研究①(ディベート)
第9回現場の事例研究②(ディベート)
第10回現場の事例研究③(ディベート)
第11回フィールドワーク方法論
第12回テーマ設定
第13回調査計画・準備・発表①
第14回調査計画・準備・発表②
第15回調査計画・準備・発表③