担当者 | 渡部 瑞希教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | CUA-102 |
グローバル化が進む今日、我々は、自身とは全く異なる文化や慣習をもった人びとと接しうまく付き合っていく必要があります。他者の文化や慣習は、好奇心をそそられるものも多いですが、それらは同時に、驚愕や嫌悪の対象にもなりえます。文化人類学は、そうした一見、理解不能な「異質な他者」の文化や生活を研究することで、我々自身の文化や生活そのものを客観的に見直すきっかけを与える学問です。
本講義では、とりわけ世界の人びとの対人関係(親子、夫婦、友人、恋人)と日本のそれとを比較検討していきます。その差異を検討することで、常識にとらわれない幅広い視野をもつようになると同時に、グローバル社会でよりよい対人関係を築く方法論を習得していきます。
・他者とどう折り合いをつけて生きていくか、その戦術を文化人類学の知識から学習する
・常識にとらわれず、ものごとを多面的に捉えるセンスを磨く。
・さまざまな社会関係を紡いでいく上で、うまく取り計らい生き抜く方法を学ぶ
平常点30%(受講態度10%、コメントペーパーと事前学習 20%)
試験 70%(講義内の小テスト 30%、期末試験 40%)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | ピット=リヴァース 1980『シエラの人びと―スペイン・アンダルシアの民族誌』弘文堂 | デポラ、チェンバース 2015 『友情化する社会――断片化のなかの新たな〈つながり〉』岩波書店 | 菅野仁 2003 『ジンメル・つながりの哲学』NHK BOOKS |
・授業でとりあげるテーマに関連する資料を、事前・事後学習として読む(→理解度が変わります)。
・講義後にコメントペーパーor課題or小テストの提出を求めます
・講義形式の授業です。講義の内容を自身の日常生活に則して捉えなおすことで、より一層理解が深まります。異文化の世界に触れながら、ぜひ、自分自身についても深く考察してみてください。当然のことながら私語は厳禁
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス |
第2回 | 文化人類学の手法① 文化人類学において、フィールドワークはどのように行われているか?フィールドワークに必要不可欠なインフォーマントとは何か? |
第3回 | 文化人類学の手法② 民族誌を書くとはどういうことか? |
第4回 | 異文化コミュニケーション① 文化人類学者が遭遇する現地でのトラブルは、現地の人とのコミュニケーション摩擦から生じている。では、コミュニケーションの成立/不成立を決めるメカニズムとは何か? |
第5回 | 異文化コミュニケーション② 言葉が通じない状況でも、人間関係を築くことは可能である。それはいかにしてか? |
第6回 | 公然の秘密 「秘密を制する者は人間関係を制す」といってもいいくらい、人間関係に秘密は重要な働きをする。それはどんな働きか? |
第7回 | 親密圏と公共圏 人間関係が築かれる場として、公共圏(公の場)と親密圏(親しい間柄のプライベートな場)を想定し、それぞれの人間関係の特徴を学習する |
第8回 | グローバリゼーションと共生社会 文化人類学にとってグローバリゼーションとは何か?また共生社会について文化人類学ができることは何か? |
第9回 | 日本の多文化共生 現在、日本の移民問題はどのようになっているか?また日本で多文化共生はいかに進められているのか? |
第10回 | 『バベルの学校』を視聴 |
第11回 | 親密な関係性① 親子の愛情は、世界で普遍的か? |
第12回 | 親密な関係性② なぜ、1人しか愛してはいけないのか?ポリアモニーの実践から複数愛について考える |
第13回 | 親密な関係性③ 「友だち」とは何か?本当の友情とは存在するのか? |
第14回 | 試験対策 |
第15回 | まとめと試験 |