担当者 | ||
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [国際経済学科] | |
科目ナンバリング | ECT-101 |
ミクロ経済学は、ものをつくり (生産)、つくったものを他者とやりとりし (交換)、つかう・楽しむ (消費) 世の中での私たちの幸せについて考える学問である。生産と消費はひとりでも行えるが交換には相手が必要である。「交換」といえばものとお金をやりとりする (売買)」ことである。この意味でミクロ経済学の主な対象は売買である。しかし、「経済学とはお金もうけだけを考える学問だ」と考えてはならない。私たちは消費から幸せを感じる。また、消費するには誰かが生産する必要がある。したがって生産・交換・消費のプロセスすべてを視野に入れなければならない。本科目では売買の当事者が自らの幸せを第一に考えるときの行動の傾向を直観的・経験的に理解しさまざまなものの価格と取引量の変化を同じ原理で説明できることを学ぶ。
身のまわりの事象をミクロ経済学の専門用語にあてはめて考えられる。
・完全競争市場において市場参加者が価格受容者になる理由を、仮定を組み合わせて説明できる。
・「需要量」と「需要」、「供給量」と「供給」を適切につかいわけられる。
・現実の経済現象における様々な財・サービスの価格と取引量の変化を、需要曲線と供給曲線を用いて説明できる。
毎回課す確認テストと宿題による (100パーセント)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特に指定しない。タイトルが『(入門) ミクロ経済学』などとなっている本のうち、「需要と供給」という用語が見出しや本文に登場する部分は参考になるかもしれない。たとえば、伊藤元重 (2015)、『入門経済学』第4版、日本評論社ならば、pp. 17-38、N・グレゴリー・マンキュー (2013)、『マンキュー経済学Ⅰミクロ編』第3版、東洋経済新報社ならば、pp. 99-133が対応している。詳しくは第1回授業で説明する。各回の到達目標、参考書のリスト、第何回の授業の内容がどの本の何ページに対応するかを示す予定である。 | ||
参考文献 |
授業中に出題する確認テスト、宿題を解きなおしたり参考書の章末問題を考えたりしてそれまでの講義内容の理解を深めてほしい。復習、特に問題演習は重要である。ノートや参考書を読むだけで例題、問題は解かない、という勉強ではわかったことにならない。例題、問題は解き方を読むだけでなく、自分でペンをもってノートに解きなおすべきである。問題を解けば自然にわかってくることは多い。わかっていることとわからないことを明確に区別して、理解できていない解説を紙に何回でも再現せよ。
ミクロ経済学には興味がないものの時間割の都合で本科目を履修する1年生、入門ミクロ経済学Ⅰの履修経験はあるもののよくわからず単位未修得の2年生以上を想定する。途中でくじけないように本クラスでは内容を大幅に削減している。削った部分は「すぐに必要ではないものの今後勉強を深めていくとつかわざるを得なくなる」性質のものである。必要な内容は残している。
ミクロ経済学を学べばふつうの生活だけでは思いつかないものの見方や考え方が身につく。本クラスの履修がミクロ経済学を学ぶ最後の機会になる人もその知識を今後の人生を楽しむ基礎としてほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション |
第2回 | トレードオフ、機会費用、合理性、インセンティブ |
第3回 | 価格受容者の想定と需要 |
第4回 | 需要の法則と需要曲線 |
第5回 | 需要量と需要 |
第6回 | 需要量の変化と需要の変化 |
第7回 | 需要曲線のシフト |
第8回 | 価格受容者の想定と供給 |
第9回 | 供給の法則と供給曲線 |
第10回 | 供給量と供給 |
第11回 | 供給量の変化と供給の変化 |
第12回 | 供給曲線のシフト |
第13回 | 均衡点 |
第14回 | 曲線のシフトと均衡点の変化 |
第15回 | 需要と供給で解く経済問題 |