民事訴訟法B
担当者野間 小百合
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-218

授業の概要(ねらい)

民事訴訟法は、民事訴訟を行うに当たり、様々な規則を定めたものであり、実体法(特に、民法・商法)上の権利を実現する手続きです。そのため、身近な法律である民法などに比べ、具体的な事例に引き付けて想像することが難しい分野であるといえます。例えば、民事訴訟を利用したい、原告(訴えを提起した人)は、裁判所に訴えたい請求を行います。その請求は、実体法上の権利の実現に適ったものでなければなりません。裁判所は、このような原告の請求に実体法上の根拠がある場合にはその請求を認め、判決を下してくれます。本講義では、問題演習を取り入れながら、民事裁判に関する全体像を把握することを目指します。民事訴訟法Ⅱにおいては、民事訴訟法Ⅰにおいて学んだ基礎知識を踏まえて、訴訟全体の流れについて適宜復習をまじえながら講義を行いますので、民事訴訟法 Ⅰ を選択していなくとも十分理解できると考えます。配布資料とパワーポイント資料に基づいて、裁判実務手続・裁判例に言及しつつ民事訴訟に関する具体的なイメージを把握できるよう授業を進めます。民法・会社法等の実体法にも言及し、民事訴訟法を通じて法律全体に関する思考力のレベルアップを目指します。

授業の到達目標

各回の授業では民事裁判について、できるだけ具体的な事例を挙げ、分かりやすく解説するよう心がけます。各授業の後半では練習問題を用意しているので、この問題を解きながら理解を深めてください。
また、配布資料に沿って学ぶことで、民事訴訟の全体構造を学び、加えて民法等の実体法の実務的な理解を身に付けることを到達目標と考えています。
授業で扱った配布資料の穴埋め部分等の解説は当該授業内でのみ解説し、同内容の授業は繰り返して行いません。

成績評価の方法および基準

1.授業の成績は、授業貢献・レポートの提出等30%(少なくとも3回に1回程度簡単な授業内レポートを実施する場合があります)、期末試験70%で評価します。
2.「知的能力・技能の定着」は主として授業内レポート、「知識・理解の定着」は主として期末試験で評価することとします。授業に積極参加する者は高く評価します。
なお、全体の授業の1/3欠席の場合にはいかなる理由があっても単位を認定できません。
3.学期末試験の詳細についてはガイダンス時に提示します。就活でやむを得ず欠席する場合には、12回目までに申し出てください。試験終了後にお問い合わせ頂いてもご希望に沿えません。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『民事裁判入門』第3版補訂版 中野貞一郎著 有斐閣
参考文献

準備学修の内容

授業で行った演習問題の復習が望まれます。

その他履修上の注意事項

配布資料と教科書、六法は授業で使用しますので必ず持ってきてください。
※配布資料はLMS上で各自で印刷して持参してください(LMS上にある資料は配布しませんのでご了承ください)。
出席日数が不足したことへの配慮は一切しません。
また、試験日以外での試験の実施、期限後のレポートの提出も一切認めませんので、以上の点を御理解の上登録してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス及びイントロダクション
第2回民事訴訟法Ⅰの復習
第3回当事者の意思による訴訟の終了
第4回終局判決による訴訟終了
第5回裁判に対する不服申立手続き:上訴総説・控訴・上告
第6回裁判に対する不服申立手続き:抗告・特別上訴・再審
第7回確定判決の効力:効力・既判力
第8回確定判決の効力:既判力の客観的範囲・既判力の主観的範囲・その他の判決効
第9回前半の講義の復習
第10回模擬裁判(教室内で実施)
第11回模擬裁判(教室内で実施)
第12回請求の複数
第13回多数当事者訴訟
第14回共同訴訟
第15回まとめ
 ※二回程度、外部スピーカーによる授業を予定しています。