担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | PSY-201 |
子どもと家族を対象とした心理臨床では、臨床心理学やパーソナリティに関する諸理論のみならず、遺伝を含む神経生物学的視点、発達的視点、精神力動的視点、システム的視点、社会文化的視点など多様な角度から人の存在や発達、関係性について理解を深め、あぐらをかくことなくたえず対話していく必要がある。
人間の発達について理解するためには、現在明らかにされている多様な視点を理解することが求められる。こうした視点を実際に活用して臨床にあたっていくことはそうたやすいことではない。心理学基礎演習Ⅰでは、精神分析を核に、アタッチメント、神経生物学、発達心理学の知見を重ね合わせて、子どもの臨床について考えていく文献を取り上げる。この多元性を系統的に理解していく基礎を身につけていくことを目的とする。
1)人の発達に絡むさまざまな事象について多元的に理解し、説明することができる
2)発表やディスカッションを通して自分の考えや疑問を他者に伝えることができる
3)自分が関心をもつ文献・資料にアクセスし、詳しく調べることができる
発表内容とテキストの理解30%、ディスカッション30%、レポート40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『子どものこころの発達を支えるもの―アタッチメントと神経科学、そして精神分析の出会うところ』 | グレイアム・ミュージック(著)・鵜飼奈津子(監訳) | 誠信書房 |
参考文献 |
文献は発表者のみならず履修者全員が読み込み、疑問点、ディスカッションテーマをもつこと。その際、単に知的に理解するだけでなく「全身で味わう」こと、受動的に読む、聴くだけでなく「自分自身や身近な他者の具体的な経験・事柄に照らして考える」こと、わかることだけでなく「わからないことに気づく」こと。
発表担当者は参加者が理解を深められるように、また参加者からの質問や意見に対応できるように、理解があいまいになっている部分を精査し、十分に調べて準備しておくこと。
ディスカッションの際は、他者の意見を踏まえ自分の考えや問いを立てること。
わからなかったことは,自ら積極的に調べたり,質問したりすること。
子どもに関わらず、親世代、祖父母世代、さまざまな年代のニュースに関心をもつこと。
真剣に学ぼうとしている他の学生の邪魔をしないこと(私語,携帯電話,遅刻・欠席など)。
意欲的、積極的な発言と参加を求めます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション・発表者決め |
第2回 | グループごとに発表についての打ち合わせを行う。文献検索の方法を学ぶ。 |
第3回 | 「命の始まり:受精から誕生まで」を発表し、ディスカッション |
第4回 | 「関係性の中に生まれてくる」を発表し、ディスカッション |
第5回 | 「共感、自己、そして他者のこころ」を発表し、ディスカッション |
第6回 | 「アタッチメント」を発表し、ディスカッション |
第7回 | 「生物学と脳」を発表し、ディスカッション |
第8回 | 「言語、言葉、そして象徴」を発表し、ディスカッション |
第9回 | 「記憶:自分が何者で、何を期待するのかについて学ぶ」を発表し、ディスカッション |
第10回 | 「大人にむかって」を発表し、ディスカッション |
第11回 | 「トラウマ、ネグレクト、そしてその影響」を発表し、ディスカッション |
第12回 | 「遺伝子、素質と養育」を発表し、ディスカッション |
第13回 | 「早期の体験とその長期的な結末」を発表し、ディスカッション |
第14回 | 関連文献を紹介し、今後の研究の展開についてディスカッション |
第15回 | まとめ |