環境法B
担当者井口  博
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングNFL-318

授業の概要(ねらい)

 環境法は、さまざまな環境問題を法によって解決し、私たちが暮らしやすい環境を作り上げることを目的にしています。皆さんがどのような生活をしても、どのような仕事に就いても、必ず環境法が現れてくるでしょう。その意味で環境法はまさに「実学」の法律です。この授業では、さまざまな環境法の学習を通して、「環境法的視点」を身に付けてもらいます。法学の基礎知識がなくてもわかるように話をしますので、法学部の学生だけでなく、法学部以外の学生にとっても得るところが多いと思います。
 授業では、日常生活の中で、また仕事の中で、環境法がどのように関わってくるかを具体的に学びます。特に私が弁護士の立場でこれまでさまざまな環境問題に取り組んできた経験についても話をします。私は弁護士として毎日さまざまな法律問題と関わっていますので、その中から皆さんが社会に出てから役に立つ法律のこともお話したいと思います。
 また授業では、環境実務に携わっているゲスト・スピーカーを呼んで、現場の話を聞く機会も作ります。これまでには、奄美大島で環境行政を担当している自治体職員、フェアトレードをしているアパレル会社の社長、有機農産物の宅配会社の社長、、環境犯罪の取り締まりをしている警察官などに来てもらいとても有意義なお話をしていただきました。
 それ以外に、参加型授業をより進めるために、毎回、次の授業のテーマについてレポート課題を出します。課題レポートは必修です。それまでの授業についての小テストも実施します。また毎回、その日の授業の感想や質問を感想ノートに書いて、授業の後に提出してもらいます。皆さんの質問には必ず回答します。
 環境法Ⅱ/Bは、「実学」にシフトした応用編ですが、環境法Ⅰ/Aを受講していなくても、この授業で環境法の基礎は理解できるようにします。

授業の到達目標

 これからの生活、仕事などさまざまな場面で現れる環境問題について、この授業で身に付けた環境法の知識と理解によって、環境問題の解決方法を自ら考えられるようにしてもらいます。

成績評価の方法および基準

 期末試験はすべて講義内容(レジュメと資料)から出題します。配付したレジュメと資料は持ち込み可とします。成績は、期末試験(60%)、小テスト(10%)、課題レポート(必修)、感想ノート等の授業受講内容(30%)で評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 決まったテキストは使いません。毎回、レジュメと資料を配り、それをもとにして講義します。参考書としては、交告尚史ほか『環境法入門』(第3版)、畠山武道『考えながら学ぶ環境法』、北村喜宣『プレップ環境法』(第2版)をお勧めします。
参考文献『環境法入門』(第3版)交告尚史ほか
参考文献『考えながら学ぶ環境法』畠山武道
参考文献『プレップ環境法』(第2版)北村喜宣

準備学修の内容

 課題レポートは、A4で1頁程度ですが、文献などで調べて作成してください。

その他履修上の注意事項

 環境法は、常に身の回りにあります。皆さんがどのような生活をしても、どのような仕事に就いても、「環境法的視点」を忘れないようにしてください。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション-環境を守るための弁護士の活動
第2回 環境法の基本原則-環境法の基本的な考え方を知る
第3回 自然を守るために-ふるさとの自然はなくなっていくのか
第4回 ペットと法律-声をあげられない動物たちのために
第5回 企業と環境法-環境法は企業活動にどのように関わるか
第6回 観光と環境法-環境法は観光にどのように関わるか
第7回 農業と環境法-これからの農業と環境法の関わり
第8回 飲食店と環境法-食と環境法との関わり
第9回 アパレル、化粧品と環境法-衣料、化粧品と環境法の関わり
第10回 土地開発・不動産と環境法-不動産取引と環境法の関わり
第11回 スポーツと環境法-スポーツを通しての環境教育
第12回 環境をめぐる犯罪-環境を守るための警察や自治体職員の努力
第13回 エネルギーと環境法-エネルギー問題と環境法の関わり
第14回 地球環境を守るための環境法-環境法は地球の危機を守れるか
第15回 まとめと授業内試験