社会保険論Ⅰ
担当者川島 貴志
単位・開講先選択必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングECP-301

授業の概要(ねらい)

社会保障は、個人の力だけで備えることに限界がある生活上のリスクに対して、社会全体で国民の生活を守っていく役割があります。生活上のリスクには予期できたり、コントロールすることが難しい病気や死亡、失業、障害などがあります。リスクを大きなプールで吸収・分散する考え方を学びます。特に今後の日本においては少子高齢化が進行し社会保障制度にも大きな影響が出ることが見込まれます。社会保険論Ⅰでは、これからの時代に益々社会のインフラとして重要な社会保険制度、とりわけ身近な医療保険を中心に、社会保険の意義や仕組み、また民間保険との違いなどを考察していきます。授業は主に講義形式で行いますが、重要な論点についてはディスカッションも取り入れていきます。

授業の到達目標

社会保険の概要と、とりわけ医療保険制度の現状と今日までの課題を理解することを到達目標とします。社会保険制度は誰もが当事者です。家族や親戚、知人にも社会保険の利用者がいるかもしれません。また保険料救出者もいるでしょう。社会に出るにあたってその基本と自分なりの問題意識を形成できるようにすることを目指します。

成績評価の方法および基準

成績評価については、中間レポート30%、定期試験結果70%を基準に総合的に判定します。また授業・ディスカッションへの積極的貢献を加点する一方、授業中の私語など他学生への迷惑となる行為は大幅減点とします。テスト・授業時の不正行為は単位認定しません。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書はじめての社会保障 第16版椋野美智子・田中耕太郎有斐閣
参考文献

準備学修の内容

授業の準備のために次回授業のポイント・論点を授業の最後に示します。また授業終了時に質問のための時間を確保します。授業のポイント・論点は中間レポートのテーマにも関連しますので、それも念頭に置いたうえテキストの予習・復習を行うことが望ましいです。また新聞をはじめとして様々な媒体から関連情報を収集する癖をつけることが望まれます。

その他履修上の注意事項

講義の内容は、学生の皆さんが今後社会人としての人生をおくる上で、不確実性というリスクの存在と対応について感覚を身に着ける機会になります。国民としてなぜ社会保険料を払うのか、我が事として重要性も理解できると思います。基礎編である社会保険論Ⅰの後半が社会保険論Ⅱにつながるので、続けて履修することが望ましいです。

授業内容

授業内容
第1回全体のオリエンテーション、授業の進め方や評価方法の説明、社会保障制度を学ぶ意義、社会保障制度の現況について学ぶ
第2回社会保障制度の概要、社会保険制度の概要、民間保険との違いについて学ぶ
第3回医療保険制度第一回、医療サービスを保証する仕組み、国民皆保険について学ぶ(海外との違いも含めて)
第4回医療保険制度第二回、被保険者と保険料の概念を学ぶ
第5回医療保険制度第三回、保険給付の仕組みについて学ぶ
第6回医療保険制度第四回、診療報酬と薬価基準について学ぶ
第7回医療保険制度第五回、高齢者医療制度について学ぶ
第8回医療保険制度第六回、国民医療費と財政問題について学ぶ
第9回医療保険制度第七回、医療提供体制について学ぶ
第10回外部講師によるトピック講義
第11回生活保護の制度について学ぶ
第12回社会福祉制度の概要について学ぶ
第13回社会手当について学ぶ
第14回講義のまとめ第一回
第15回講義のまとめ第二回