刑法総論A
担当者堀田 晶子教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-103

授業の概要(ねらい)

刑法は、犯罪と刑罰に関するルールです。1年次に学修する刑法総論では、すべての犯罪に共通する要素(犯罪の成立要件)を分析し、「およそ犯罪とは何か」を考えます。一見、抽象的に見える犯罪論も、具体的な事例を用いてイメージすることで、確かな理解へと繋がります。1年間を通じて、刑法総論の主要な論点と向き合い、法解釈の技術を学ぶとともに、犯罪論を体系的に理解する法的思考力を身に付けます。

授業の到達目標

①刑法総論の主要な論点について、判例の立場や学説の対立を意識しながら、具体的に説明できること。
②法解釈の技術を学び、犯罪論を体系的に理解する法的思考力を身に付けること。

成績評価の方法および基準

基本的には試験によって評価します。評価配分の目安は、試験90%、授業への貢献度10%です。授業への貢献度は、勉学への意欲や授業態度等によって総合的に判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書以下のテキストをお勧めします。本には相性があるので、この中から自分に合った本を選んでください。
教科書『基本刑法1・総論〔第2版〕(2016)』大塚裕史 十河太朗ほか日本評論社
教科書『入門刑法学・総論〔第2版〕(2018)』井田良有斐閣
教科書『講義刑法学・総論〔第2版〕(2018)』井田良有斐閣
教科書『よくわかる刑法〔第3版〕(2018)』井田良・佐藤拓磨ミネルヴァ書房
教科書『刑法総論〔第3版〕(2016)』山口厚有斐閣
参考文献『基礎から学ぶ刑事法〔第6版〕(2017)』井田良有斐閣
参考文献『判例刑法・総論〔第7版〕(2018)』西田典之・山口厚ほか有斐閣
参考文献『刑法総論判例50!(2016)』十河太朗・豊田兼彦ほか有斐閣
参考文献『刑法判例百選・総論〔第7版〕(2014)』山口厚・佐伯仁志編有斐閣

準備学修の内容

特に復習に力を入れてください。授業で扱ったテーマについて、レジュメやノートを読み返しながら、復習しましょう。勉強すればするほど疑問がわいてきます。疑問点が出てきたら、テキストを繰り返し読みながら、まずは自分で考えてみましょう。図書館を大いに活用してください。それでもわからない場合は、友人と議論したり、教員に質問したりすると良いでしょう。

その他履修上の注意事項

授業をよく聞いて、その都度レジュメに書き込むか、ノートを取るようにしてください。自分で書いて理解することが大切です。授業の内容が聞き取れなかった場合は、あやふやのままにせず、すぐに確認してください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション-刑法総論で学ぶこと-
第2回刑法の目的・刑罰の正当化根拠
第3回罪刑法定主義①-法律主義・遡及処罰の禁止・明確性の原則―
第4回罪刑法定主義②-類推解釈の禁止―/刑法の適用範囲
第5回犯罪とは何か-犯罪の3要素-
第6回構成要件とは何か-構成要件の内容と機能-
第7回因果関係論①-条件説と相当因果関係説-
第8回因果関係論②-危険の現実化説/演習問題
第9回不作為犯
第10回違法性阻却事由①-違法性の本質・正当行為等-
第11回違法性阻却事由②-正当防衛その1-
第12回違法性阻却事由③-正当防衛その2・過剰防衛-
第13回違法性阻却事由④-緊急避難-
第14回演習問題/DVD
第15回春期のまとめと試験