企業会計法B
担当者上條 克彦
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングNFL-316

授業の概要(ねらい)

資本主義社会では、企業活動なくして私たちの生活は成り立ちません。
企業活動は、カネ①→ヒト・モノ→カネ②のサイクルです。
企業会計は、企業活動を記録し、カネ①とカネ②の差額(損益)を認識して、利害関係者(事業主、株主、債権者、投資家等)に情報として伝達する活動です。
この授業では、権利と義務を基礎概念とする法学を学ぶ学生にとってわかりやすいように、資産(≒権利)と負債(≒義務)を基礎概念とし、その差額(純資産)の変動原因として損益を理解するとともに、企業会計全体をこの新たな視点から見直すことをねらいとします。

授業の到達目標

①企業活動(カネ→ヒト・モノ→カネ)に基づき、仕訳、元帳への転記、貸借対照表と損益計算書の作成が自由自在にできるようになること
②貸借対照表と損益計算書を見て企業の経営成績と財政状態を判断できるようになること。

成績評価の方法および基準

①授業貢献度、②中間テスト(又は中間レポート)及び③期末テスト(又は期末レポート)の総合評価
評価配分割合:①30%、②30%、③40%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書プリント配付
参考文献すっきりわかる日商簿記3級滝澤ななみTAC出版
参考文献『会計の新しい教科書』吉成英紀日本経済新聞出版社

準備学修の内容

毎回授業でプリントを配付するので、自分で書き込みをしてプリントを自分なりのノートにした上で、それを持参して次回の授業に臨むこと

その他履修上の注意事項

企業会計は、税法、会社法、金融商品取引法と深くかかわりますので、できればこれらの科目もあわせて履修してください。 

授業内容

授業内容
第1回前期の復習
企業活動(取引)、仕訳、元帳、貸借対照表・損益計算書の相互関係について学ぶ 
第2回株式会社と株式
有限責任、出資と経営の分離、会社の純資産と株式・株価の関係について学ぶ
第3回株式会社会計の特質
個人企業会計と株式会社会計の違い、会社法の規制(資本金、資本準備金、利益準備金、配当可能利益)、金融商品取引法について学ぶ
第4回利益処分
未処分利益、配当可能利益、利益準備金、任意積立金について学ぶ
第5回資金調達
外部資金と内部資金、社債、借入金、内部留保について学ぶ
第6回会社会計の簿記一巡
簿記一巡と財務諸表・計算書類の作成について学ぶ
第7回企業会計原則
企業会計原則の意義、企業会計と会社法・金融商品取引法・法人税法との関係について学ぶ
第8回前半の講義のまとめと中間テストを行う
第9回企業会計原則(一般原則)
真実性の原則、正規の簿記の原則、資本取引と利益取引の区分の原則、継続性の原則、明瞭性の原則、保守主義の原則、単一性の原則について学ぶ
第10回企業会計原則(損益計算書原則)
発生主義、実現主義、現金主義、費用収益対応原則について学ぶ
第11回企業会計原則(貸借対照表原則)
金融資産と事業資産、資産の時価と取得原価について学ぶ 
第12回連結財務諸表(連結貸借対照表)
親子会社、連結貸借対照表の作成方法について学ぶ
第13回連結財務諸表(連結損益計算書)
未実現利益、連結損益計算書の作成方法について学ぶ
第14回財務分析
企業の収益性と安全性の分析について学ぶ
第15回後半の講義のまとめと期末テストを行う