法律学演習Ⅲ
担当者上條 克彦
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-401

授業の概要(ねらい)

知識は、他人から聞いただけでは自分のものになりません。
自分が理解したと思うことを他人にぶつけてみて(たいていは厳しい反論を受けることになりますが)、はじめて自分のものになります。
このゼミは、税法の判例における具体的な事件を題材にして、その争点について全員で討論することにより、税に関する生きた知識を身につけることをねらいとしています。

授業の到達目標

①税についての基礎知識を修得するとともに、税をめぐるさまざまな事件について自主的に研究や調査をし、その成果を口頭やレポートで発表できるようになること。
②討論において、自分の考えを正確に表現できるようになるとともに、他人の考え方を理解し、一つの問題について多数の「正解」があることに気づくこと。

成績評価の方法および基準

授業貢献度(授業への出席と討論への貢献度)と期末レポート(税に関する研究)の総合評価
評価配分割合:①50%、②50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書プリント配付
参考文献別冊ジュリスト『租税判例百選』第6版中里実・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘有斐閣
参考文献『ケースブック租税法』金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘弘文堂
参考文献『税法概論』図子善信財団法人大蔵財務協会

準備学修の内容

あらかじめ指定する判例を十分に読み込み、事実関係と争点を整理しておくこと。

その他履修上の注意事項

税法Ⅰを受講すること。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
税法の勉強のしかた、判例の読み方、討論のしかたについて説明する
第2回講義と計算演習:租税の意義・基本原則
租税の意義、租税法律主義、課税要件等の税の基本的事項について説明し、簡単な計算問題を解くことにより理解を深める
第3回判例研究:租税の意義
ガーンジー事件(変更可能性あり)を題材にして、その争点について全員で議論し、税の意義についての理解を深める
第4回講義と計算演習:所得税のしくみ
所得税の所得区分、所得控除、累進税率等について説明し、簡単な計算問題を解くことにより理解を深める
第5回判例研究:憲法と租税法
大島訴訟(変更可能性あり)を題材にして、その争点について全員で議論し、租税法と憲法の関係について理解を深める
第6回講義と計算演習:課税単位
所得税の課税単位について説明し、簡単な計算問題を解くことにより理解を深める
第7回判例研究:課税単位
二分二乗事件(変更可能性あり)を題材にして、その争点について全員で議論し、所得税の課税単位について理解を深める
第8回講義と計算演習:所得控除
所得税の所得区分、所得控除、累進税率等について説明し、簡単な計算問題を解くことにより理解を深める
第9回判例研究:医療費控除
メガネ事件(変更可能性あり)を題材にして、その争点について全員で議論し、医療費控除について理解を深める
第10回判例研究:租税回避
岩瀬事件(変更可能性あり)を題材にして、その争点について全員で議論し、租税回避について理解を深める
第11回講義と計算演習:相続税と贈与税
相続税と贈与税のしくみについて説明し、簡単な計算問題を解くことにより理解を深める
第12回判例研究:租税回避
武富士事件(変更可能性あり)を題材にして、その争点について全員で議論し、租税回避について理解を深める
第13回講義と演習:レポートの書き方
参考文献の収集方法、論文・レポートの書き方について説明し、前期のレポート作成の準備をする
第14回プレゼンテーションと討論①
ゼミ生が、自分の書いたレポートを下にプレゼンテーションを行い、全員で討論する。
第15回プレゼンテーションと討論②
ゼミ生が、自分の書いたレポートを下にプレゼンテーションを行い、全員で討論する。