法律学演習Ⅲ
担当者徳力 徹也教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-401

授業の概要(ねらい)

 市場経済システムを維持する法律・政策(独占禁止法(競争法)・競争政策)について討議します。
 最初に独占禁止法に関する基礎知識を得るための学習・報告を行います。その上で、仮説事例を用いて、競争法の観点から、①問題点を示して攻撃する者(グループ)、②指摘された問題点に関して防御する者(グループ)に分かれて議論します。このことを通じて、競争法上の問題点の所在を理解するとともに、議論の方法を学びましょう。

授業の到達目標

 ①独占禁止法(競争法)について、「法律学の各分野における基本的な知識を応用し、法律の専門的立場から、新しい法現象について、その問題点を的確に把握し、問題解決のための提言を行うことができる」ようになることを目標とします。
 ②具体的には、個別・具体問題について、独禁法上の問題の所在を整理する/それに即して検討すべきポイント・必要な事実関係の有無を整理する/最終的な結論を得るとの能力を習得できるようにしたいと思います。また、他者の考え方を聞いて理解すること、自分の考え方と相違する点を認識すること、その相違に関する自分の考え方を形成・伝達すること等の議論の方法を身につけましょう。

成績評価の方法および基準

 出席と議論への参加状況に基づいて判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献『経済法入門』泉水文雄有斐閣

準備学修の内容

 各自に割り振られた課題を検討し、報告準備をしてください。
 また、担当以外の論点についても、独占禁止法の条文等の基礎的理解を参考書等で事前学習してください(文献の見つけ方・読み方を習得することも大切です。相談に応じますので、自ら文献を探すように努力してください。)。
 なお、経済・産業・政治に関する新聞記事を読むように努めてください。

その他履修上の注意事項

 グループでの検討・報告が主となるため、出席・発言が必須です(正当な理由がない欠席について厳しくマイナス評価します。)。

授業内容

授業内容
第1回 各参加者の自己紹介・今後の進め方の確認
 競争法の基本的考え方・概要の説明(講師)
第2回 独禁法に関する基礎知識の議論①(カルテル・談合・業務提携)
 (講師が事前に割り当てた設問について、担当者が学習の上で報告)
第3回 独禁法に関する基礎知識の議論②(再販・販売方法制限・排他取引等)
 (講師が事前に割り当てた設問について、担当者が学習の上で報告)
第4回 独禁法に関する基礎知識の議論③(抱き合わせ・事業者団体等)
 (講師が事前に割り当てた設問について、担当者が学習の上で報告)
第5回 仮説事例の検討Ⅰ【仮説事例①・②・③・④】
  4つの仮説事例について、担当チーム(攻撃者・防御者・判断者)を決める。
  攻撃チーム内で以下の内容を検討する。
  ・攻撃チーム(問題点を指摘するチーム)の立場から問題点検討
   「この事例には競争法上の〇〇との問題がある/独禁法〇条に該当する」など
  ・各チーム内で今後の検討方針を決めて、各人に翌週までの準備の割振り
第6回 仮説事例の検討Ⅰ【仮説事例①・②・③・④】
  ・攻撃チーム内で各人が担当・調べた内容を報告
  ・上記を踏まえて攻撃チームの立場から問題点に関する討議
  ・攻撃チームとして攻撃内容を記載した書面作成(次回期日までに書面提出)
第7回 仮説事例の検討Ⅰ【仮説事例①・②・③・④】
  ・攻撃チームが文書に即して相手方に対して攻撃内容を発表。
  ・防御チームとして、相手方の攻撃内容を理解(不明点につき求釈明)
   「・・・との主張は、〇〇との意味か?その趣旨を明らかにしろ」など
  ・防御チームが相手に対する反論方針を整理・検討(→翌週までの準備担当の割振り)
第8回 仮説事例の検討Ⅰ【仮説事例①・②・③・④】
  ・防御チーム内で各人が担当・調べた内容を報告
  ・上記を踏まえて防御チームの立場から問題点に関する討議
  ・防御チームとして反論内容を記載した書面作成(次回期日までに書面提出)
第9回 仮説事例の検討Ⅰ【仮説事例①・②・③・④】
  ・防御チームが文書に即して相手方に対して反論を発表。
   (「・・・との主張については、××との事実があることから正当化される」など)
  ・攻撃チーム・防御チームの主張のやり取り
  ・判断チームによる討議・判断(「〇〇チームの主張が説得的であった」など)
第10回 中間討議
  どのような経済システム・経済規制の在り方が望ましいか?
  市場経済システム(競争経済)のメリット・デメリットは何か?
 秋期の検討テーマ(政策立案の対象とする問題)選定
  テーマのリストアップと選定/各人に準備担当の割振り
第11回 仮説事例の検討Ⅱ【仮説事例⑤・⑥・⑦・⑧】
  担当チーム(攻撃者・防御者・判断者)を決める。
  攻撃チーム内で、問題点検討・翌週までの準備の割振り
第12回 仮説事例の検討Ⅱ【仮説事例⑤・⑥・⑦・⑧】
  ・攻撃チーム内で各人が担当・調べた内容を報告
  ・上記を踏まえて攻撃チームの立場から問題点に関する討議
  ・攻撃チームとして攻撃内容を記載した書面作成(次回期日までに書面提出)
第13回 仮説事例の検討Ⅱ【仮説事例⑤・⑥・⑦・⑧】
  ・攻撃チームが文書に即して相手方に対して攻撃内容を発表。
  ・防御チームとして、相手方の攻撃内容を理解(不明点につき求釈明)
  ・防御チームが相手に対する反論方針を整理・検討(→翌週までの準備学修の担当の割振り)
第14回 仮説事例の検討Ⅱ【仮説事例⑤・⑥・⑦・⑧】
  ・防御チーム内で各人が担当・調べた内容を報告
  ・上記を踏まえて防御チームの立場から問題点に関する討議
  ・防御チームとして反論内容を記載した書面作成(次回期日までに書面提出)
第15回 仮説事例の検討Ⅱ【仮説事例⑤・⑥・⑦・⑧】
  ・防御チームが文書に即して相手方に対して反論を発表。
  ・攻撃チーム・防御チームの主張のやり取り
  ・判断チームによる判断