刑事訴訟法B
担当者佐々木 知子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-206

授業の概要(ねらい)

 刑事訴訟法の目的は、被疑者・被告人の人権を保障しつつ、一方で、実体的真実の発見に努めることであり、その性質上迅速・適正に処理されなければなりません。
 私は検事歴15年及び弁護士歴も15年になり、公判では検事及び弁護人の両方を経験しています。昨夏はいわゆる特捜部事件を受任し、検事時代には存在しなかった公判前整理手続も体験しました。手続法は実体法と比べて実務的な側面が非常に強いので、実務的な流れを追いながら、どのように公判が行われているのか、理解しやすい授業を心がけています。と共に書く力を重視し、希望者には試験後の来期、講評を含む模範答案を渡し、論文作成のアドバイスをしています。
 受講生にも積極的に取り組む姿勢を持ってもらいたいと思います。

授業の到達目標

 刑事法分野におけるある程度応用的な知識を有し、日々起こる事件の流れが分かり、説明できるようになること。

成績評価の方法および基準

 授業内試験(論述式2問)の採点結果によって成績を評価します。ただしその受験資格は出席率50%以上(つまり7回以上の出席)を必須とします。持ち込みは以下のテキストないしは参考書、手書きノート、六法可。
 また出席状況は評価にあたっても考慮し、おおむねS10%、A~C各30%としています。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは自ら作成して配布します。
参考文献『刑事訴訟法講義(第6版)』池田・前田共著東京大学出版会

準備学修の内容

 配布プリントや参考書で復習するとともに次回分を予習しておくこと(2時間程度)。その際自らの頭で具体的に想像しながら勉強することが大事で、疑問があればどんどん書き込み、質問をしてほしい(授業の最後15分を質問時間にしています)。

その他履修上の注意事項

 刑法総論はもちろん刑法各論も履修しておいてください。
 出席に努め、教室でのマナーを守ること。
 予習・復習をし、主体的に授業に参加すること。

授業内容

授業内容
第1回 前期試験の講評・復習
第2回 公判手続①──公判の準備(公判前整理手続を含む)
第3回 公判手続②──公判の構成
第4回 公判手続③──訴因の変更
第5回 公判手続④── 〃
第6回 公判手続⑤──冒頭手続
第7回 公判手続⑥──証拠調べ手続
第8回 公判手続⑦──証人の取調べ
第9回 公判手続⑧──論告・弁論
第10回 公判手続⑨──裁判員制度
第11回 証拠法①──総説
第12回 証拠法②──自白法則
第13回 証拠法③──伝聞法則
第14回 証拠法④──共同被告人の証拠、事実の認定
第15回 授業内試験