担当者 | 内田 暁教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | CIL-204 |
本講義では、民法典第三編第一章に規定されている債権総則について、とりわけ、多数当事者の債権関係や債権譲渡、弁済や相殺といったテーマについて取り扱います。
我が国の民法典は、私人の財産関係を大きく2つの観点から区別し、整理しています。すなわち、私人の物に対する関係と、私人の私人に対する関係です。一般に、前者を規律する法分野を物権法、後者を規律する法分野を債権法といいます。
さて、「物」は、基本的には目で見て触れることが出来るものです。これに対して、「債権」とは、基本的には目で見ることも触れることも出来ません。債権とは観念的なものなのです。そのような債権の本質とはどのようなものなのか、債権にはどのような効力があるのかなどといった問題について規律しているのが、「債権総則」なのです。
規律する対象が観念的であるが故に、債権総則をめぐる議論も抽象的になりがちで、特に初学者にとっては理解し難い面もあるかもしれません。本講義では、基本的には下記指定のテキストに沿って債権総則について学習してゆきますが、適宜具体例を補い、判例を紹介するなどして、受講者の理解の助けにしたいと考えています。
①債権総則編の学習を通じて、債権法の基礎的知識を修得する。
②習得した知識を活かして、社会において生起する問題を分析・説明できるようになる。
・15回目の授業内で実施する試験の点数による評価(100%)
・小レポートを課した場合には、その内容による評価(最大30%)
・出席点は、原則考慮しません。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『民法4 債権総則』 | 山本敬三(監修) 栗田昌裕・坂口甲・下村信江・吉永一行 | 有斐閣 |
参考文献 | 『リーガルベイシス民法入門』(第3版、2019年) | 道垣内弘人 | 日本経済新聞出版社 |
参考文献 | 『債権総論』(第3版、2013年) | 中田裕康 | 岩波書店 |
参考文献 | 『民法判例百選Ⅱ 債権』(第8版、2018年) | 窪田充見・森田宏樹 | 有斐閣 |
【授業の進め方について】
本講義は、指定した教科書に基づいて作成されたレジュメを使用して行います。受講者は当該教科書を必ず購入してください。
また本講義では、授業時に教員が予習課題と復習課題を提示しますので、受講者はこれらの課題に取り組んでください。
【予習課題について】
授業時に、次回の授業で取り上げる内容に関する予習課題を提示します。
受講者は、指定テキストや参考文献を手掛かりにして、課題に取り組んでください。
【復習課題について】
授業時に、その回で学習した内容を確認するための課題を提示します。
学期末の試験は(小レポートを課す場合には、それも)、この復習課題をもとに実施します。
【学習の進め方】
学習に際しては、条文や学説、判例を暗記しようとするのではなく、「なぜこのようなルールがあるのか」「なぜこのような学説があるのか」などといった点を意識して、「理解」しようと努めるとよいでしょう。細かな学説や判例は数多くありますが、それらは樹に喩えれば枝葉のようなものです(これらの学説や判例が大事でないという意味では決してありません)。樹の枝葉は、幹から生えているのであって、それだけで宙に浮いているものではありません。法律学の修得にとっては、枝葉に集中するのではなく、まずはそれらの枝葉が生えている幹をしっかりと把握することが肝要です。本講義でも、幹を把握することを第一の目標としてゆきますが、受講者が自習する際にも、幹を意識して学習するとよいでしょう。また、分からない個所をそのままにしておくのではなく、積極的に教員に質問するなどの姿勢も大事です。質問は随時受け付けますので、お気軽にお尋ねください。
・受講時には六法を必ず持参してください。
・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になるような行為は厳禁です。
・本科目を受講する前に、あるいは本科目と並行して民法概論や民法総論、物権法や契約総論、契約各論といった科目を受講していることが望ましいでしょう。
・本科目は、『債権総則Ⅰ』と内容的に連続していますので、受講生は本科目と併せて『債権総則Ⅰ』の科目も受講することが望ましいでしょう。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション 債権総則Ⅰの復習 |
第2回 | 債権譲渡① 債権譲渡の意義と機能について |
第3回 | 債権譲渡② 債権譲渡の要件・効果について |
第4回 | 債権譲渡③ 債権譲渡の対抗要件と発展的問題について |
第5回 | 多数当事者の債権関係① 分割債権関係 不可分債権関係 |
第6回 | 多数当事者の債権関係② 連帯債務の意義と性質 連帯債務者の一人に生じた事由の効力 |
第7回 | 多数当事者の債権関係③ 連帯債務者間の求償関係 不真正連帯債務 |
第8回 | 多数当事者の債権関係④ 保証債務 保証の意義と機能 |
第9回 | 債権の消滅① 弁済と弁済の提供、誰が誰に弁済すべきかについて |
第10回 | 債権の消滅② 弁済による代位について |
第11回 | 債権の消滅③ 代物弁済や弁済供託について |
第12回 | 債権の消滅④ 相殺の意義と機能について |
第13回 | 債権の消滅⑤ 相殺の要件・効果について |
第14回 | 債権の消滅⑥ 相殺をめぐる発展的問題、債務引受について |
第15回 | 債権総則Ⅱの総まとめと授業内試験 |