担当者 | 高木 暢亮教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [資格科目] | |
科目ナンバリング | ARC-101 |
考古学は、人間が作り使用した土器や石器、金属器、骨角器、皮革製品や布などの道具類や家、神殿、寺院、城柵、官衙などの建築物、人が埋葬された墓などの物質的な資料に基づいて、人間の社会や文化を考察する学問である。この授業では、まず初めに考古学という学問が持つ物質資料を扱うという特徴が、文献資料を基にした歴史学とはどのように違うのかについて解説する。その中で、考古学そのものの歴史を概観することになる。また、考古学の扱う範囲は人類が関わったすべての地域、時代に及ぶ。北極圏に近い寒冷地帯、砂漠のオアシス、山岳地帯、太平洋上の島々など、人間が生活していた地域はすべて研究の対象になるので、非常に広い地域を対象としている。また扱う時代は、一般的には文字の出現以前の、いわゆる「先史時代」のみを対象にしていると思われがちだが、人間が関わる物質資料は古代にも中世にも近世にも、そして近現代にも存在しており、当然これらの時代も研究の対象となる。つまり人類出現以降から現代にいたるまでの非常に幅広い時代が対象となる。なお例年、「恐竜の化石に興味があります」という人がいるが、考古学の対象となるのは「人間が関わった時代と地域」なので、残念ながら恐竜の化石は研究対象にはならない。物質資料を扱うという特性から、年代決定や型式学・層位論などの自然科学分野の研究領域とも関連性があるので、こういった関連分野についても解説をすることになる。これらの考古学の基礎となる知識を解説した後、人類出現から旧石器時代、新石器時代、青銅器時代、鉄器時代、都市の発生と古代文明の成立あたりまでの話をする予定である。
1.考古学という学問の持つ特性を学び、考古学の基礎的な知識・方法論を理解すること。
2.人類の社会や文化にどのような共通点と相違点があるのかについて考古資料を基にして学ぶこと。
最終授業で授業内テストを実施し、テストの結果によって成績を評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 |
考古学の基礎的な入門書・概説書に目を通しておくことが望ましい。具体的な書名については授業の中で紹介するので、参考にしてもらいたい。
授業中の私語は厳禁当然ながら厳禁。注意をしてもあらたまらない場合は退室させることもあるので、そのつもりで授業に臨むこと。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 授業の進め方についての説明、参考となる文献の紹介など |
第2回 | 考古学と関連諸科学 年代測定法、型式学・層位論、保存科学など考古学に関連する分野についての解説 |
第3回 | 考古学が対象とする時代と地域 考古学が対象とする時代と地域、資料のもつ特徴についての解説 |
第4回 | 旧石器時代 原人段階から新人段階までの旧石器の特徴についての解説 |
第5回 | 新石器時代1 新石器時代の開始についての解説 |
第6回 | 新石器時代2 メソポタミアの新石器文化についての解説 |
第7回 | 新石器時代3 ヨーロッパの新石器文化についての解説 |
第8回 | 新石器時代4 中国大陸の新石器文化についての解説 |
第9回 | 青銅器時代1 メソポタミア・ヨーロッパの青銅器文化についての解説 |
第10回 | 青銅器時代2 東アジアの青銅器文化についての解説 |
第11回 | 都市の出現と古代文明1 メソポタミア、エジプトなどの都市の出現と古代文明についての解説 |
第12回 | 都市の出現と古代文明2 ヨーロッパの都市の出現と古代文明についての解説 |
第13回 | 都市の出現と古代文明3 中国大陸の都市の出現と古代文明についての解説 |
第14回 | アメリカ大陸の文明 アステカ、マヤ、インカなどのアメリカ大陸の諸文明についての解説 |
第15回 | まとめとテスト |