生活の医学Ⅱ
担当者木村 理夫
単位・開講先選択  2単位 [スポーツ医療学科]
科目ナンバリングBAM-102

授業の概要(ねらい)

 日本は少子化・超高齢化社会に突入しており、個々人の生活の質を改善し健康寿命を延長させることは喫緊の課題であります。 本講義では、春期の「生活の医学Ⅰ」で学んだ運動器の構造とそれを調節する神経系の働きについての基礎的な知識をふまえ、代表的な運動器外傷の各論、スポーツ医学と障害、加齢に伴う運動器の変性疾患について知識を習得できるように構成しました。 また、視覚器や聴覚器の構造と働きや、春期講義でも学習した脳の重要な働きである社会脳(ソーシャルブレインズ)の各論、人口の高齢化に伴い大きな社会問題となっている認知症、さらに老化(エイジング)のメカニズムなどに関しても講義します。
 本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は国家資格を有する医師であり、整形外科、リハビリテーション、スポーツ医学、手外科、脊髄・末梢神経外科、四肢再建外科を専門としております。臨床医療での実例や現場での課題を交えて講義を展開していきます。

授業の到達目標

 我々の身体の運動器系の外傷や疾患、スポーツ医学と障害、加齢によって生じる脳機能障害である認知症、社会脳としての脳の働きなどついて理解を深め、実生活に役立てること。

成績評価の方法および基準

講義中の学習態度(10%),試験の成績(90%)を総合して評価する。
欠席が4回以上(補講も含む)の場合は、単位を付与しない。
公欠は出席扱いとするが、回数が多い場合は、別途課題を課す場合がある。
講義中に理解度確認テストを2回行うが、合計で6割以上の得点が成績評価および単位取得に必要である。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストは使用しない。講義ごとにレジュメを配布する。
参考文献スポーツ医学検定 公式テキスト1級一般社団法人 日本スポーツ医学検定機構東洋館出版社
参考文献病気がみえる vol. 11 運動器・整形外科医療情報科学研究所 編MEDIC MEDIA
参考文献図解 感覚器の進化岩堀秀明講談社ブルーバックス
参考文献視覚世界の謎に迫る山口真美講談社ブルーバックス
参考文献『目の見えない人は世界をどう見ているのか』 伊藤亜紗光文社新書
参考文献驚異の小器官 耳の科学杉浦彩子講談社ブルーバックス
参考文献『脳を学ぶ「ヒト」とその社会がわかる生物学』森岡周協同医書出版社
参考文献『ソーシャルブレインズ入門 <社会脳>って何だろう』 藤井直敬講談社現代新書
参考文献つながる脳藤井直敬新潮文庫
参考文献『ミラーニューロン』 ジャコモ・リゾラッティほか紀伊國屋書店
参考文献『社会脳から見た認知症』伊古田俊夫講談社ブルーバックス
参考文献脳が老いない世界一シンプルな方法久賀谷 亮ダイヤモンド社

準備学修の内容

MELIC内の参考図書やweb検索などで、積極的に準備学習、復習をすることが望ましい。
LMS上に連絡事項や資料も載せるので、毎講義前・後に随時確認すること。

その他履修上の注意事項

授業中の私語は厳禁で、目につけばその場で退室を命じ、その後の履修継続は認めない。

授業内容

授業内容
第1回運動器の外傷総論
第2回上肢の構造と外傷
第3回下肢の構造と外傷
第4回脊椎・脊髄の構造と外傷
第5回スポーツ医学総論
第6回スポーツによる外傷、障害
第7回前半のまとめ、理解度確認テスト 1
第8回関節の構造と加齢性疾患、関節リウマチ
第9回視覚器の構造と働き
第10回聴覚器の構造と働き
第11回社会脳(ソーシャルブレインズ)と認知症
第12回脳の働き:認知コスト
第13回脳の働き:母子関係とリスペクト
第14回老化(エイジング)の科学
第15回後半のまとめ、理解度確認テスト 2