担当者 | 内田 暁教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経営学科] | |
科目ナンバリング | CIL-202 |
本講義では、民法典第二編第一章から第六章の内容について学びます。
我が国の民法典は、私人の財産関係を大きく2つの観点から区別し、整理しています。すなわち、私人の物に対する関係と、私人の私人に対する関係です。一般に、前者を規律する法分野を物権法、後者を規律する法分野を債権法といいます。本講義は、この物権法について学ぶことになります。
我々の日常生活は、様々な「物」に取り囲まれています。試しに皆さんの身の周りにあるであろう「物」を挙げれば、例えばスマホやパソコン、教科書やノート、ペンなど(「動産」といいます)があるでしょう。また、皆さんは家に住んで日常生活を営んでいるでしょうが、これも「物」です。さらに言えば、その家も空中に浮かんでいるわけではなく、ちゃんと土地の上に立っています。この土地もまた「物」です(「不動産」といいます)。このように、我々の日常生活は「物」とともにあり、「物」のない生活など考えられないのです。
しかし、そうであるにもかかわらず、我々とこれらの「物」との間にいかなる法的関係があるのかという点については、我々は普段あまり意識しません。例えば皆さんも、「これは自分の物だ」という表現をよく使うことでしょう。しかし、そのことが法的にいかなる意味を持っているのかについては、自覚したことがないかもしれません。そこで本講義では、我々と「物」との間の関係(物権関係)について学んでゆきます。具体的には、そもそも物権とはどのような権利なのか、我々はどのようにして物権を取得するのか、どのようにすれば取得した物権を他人にも主張してゆけるのか、といった問題について学んでゆきます。
①物権の意義や性質、その変動や第三者への対抗といった物権法の基本的な知識を習得する。
②習得した知識を活かして、具体的な問題を分析できるようにする。
・15回目の授業内で実施する試験の点数による評価(100%)
・小レポートを課した場合には、その内容による評価(最大30%)
・出席点は、原則考慮しません。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『物権法』(第2版、2019年) | 秋山靖浩・伊藤栄寿・大場浩之 | 日本評論社 |
参考文献 | 『リーガルベイシス民法入門』(第3版、2019年) | 道垣内弘人 | 日本経済新聞社 |
参考文献 | 『民法判例百選Ⅰ 総則・物権』(第8版、2018年) | 潮見佳男・道垣内弘人 | 有斐閣 |
【授業の進め方について】
本講義は、指定した教科書に基づいて作成されたレジュメを使用して行います。受講者は当該教科書を必ず購入してください。
また本講義では、授業時に教員が予習課題と復習課題を提示しますので、受講者はこれらの課題に取り組んでください。
【予習課題について】
授業時に、次回の授業で取り上げる内容に関する予習課題を提示します。
受講者は、指定テキストや参考文献を手掛かりにして、課題に取り組んでください。
【復習課題について】
授業時に、その回で学習した内容を確認するための課題を提示します。
学期末の試験は(小レポートを課す場合には、それも)、この復習課題をもとに実施します。
【学習の進め方】
学習に際しては、条文や学説、判例を暗記しようとするのではなく、「なぜこのようなルールがあるのか」「なぜこのような学説があるのか」などといった点を意識して、「理解」しようと努めるとよいでしょう。細かな学説や判例は数多くありますが、それらは樹に喩えれば枝葉のようなものです(これらの学説や判例が大事でないという意味では決してありません)。樹の枝葉は、幹から生えているのであって、それだけで宙に浮いているものではありません。法律学の修得にとっては、枝葉に集中するのではなく、まずはそれらの枝葉が生えている幹をしっかりと把握することが肝要です。本講義でも、幹を把握することを第一の目標としてゆきますが、受講者が自習する際にも、幹を意識して学習するとよいでしょう。また、分からない個所をそのままにしておくのではなく、積極的に教員に質問するなどの姿勢も大事です。質問は随時受け付けますので、お気軽にお尋ねください。
・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になるような行為は厳禁です。
・出席点はありませんが、これは授業に出席しなくてよいということを意味するわけではありません。受講者は、可能な限り授業に出席するように心がけてください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション:物権法入門 |
第2回 | 物権の効力:物権的請求権等について |
第3回 | 物権変動総論1:物権変動の基礎理論、とくに物権変動の公示について |
第4回 | 物権変動総論2:意思表示による物権変動について |
第5回 | 不動産物権変動1:不動産物権変動の基礎理論と登記制度について |
第6回 | 不動産物権変動2:民法177条における物権変動の範囲について |
第7回 | 不動産物権変動3:民法177条における第三者の範囲および無権限取引からの第三者保護について |
第8回 | 動産物権変動1:動産物権変動の基礎理論、とくに対抗要件制度について |
第9回 | 動産物権変動2:即時取得制度について |
第10回 | 占有権1:占有権とは何か?占有の訴えについて |
第11回 | 占有権2:果実収集権や本権にかかわる効力について |
第12回 | 所有権1:所有権の基礎理論、土地所有権の内容と制限について |
第13回 | 所有権2:共有関係や建物区分所有権について |
第14回 | 用益物権の概要について |
第15回 | 民法Ⅱの総まとめと授業内試験 |