担当者 | 濱田 陽教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | JLT-101 |
日本文化と人の文化について「文化の時空」をテーマに理解を深める。
日本には気候、地形、植物、動物、人に顕著な多様性が見られ、これら生きとし生けるものが関わりあって豊かな文化が育まれてきた。日本文化の新たな世界に分け入るためには、近代の自然科学やテクノロジーが用いる時間、空間の仕組みを知るのみならず、文化特有の時間、空間に対する深い考察が欠かせない。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」。これらの言葉からも、日本人が自然、生きものとの直接の関係から多様な時空を受け取ってきたことが分かる。
生命の時間から文化の時間へ、さらに文化の時空へ。野生の思考、文化の時計としての十二支に目を向け、暦に隠された深い意味に分け入りながら日本文化の豊饒の世界を旅していく。
日本文化への柔軟な視座を養い、講義・教科書の内容をふまえて自身の感想を展開し、内容の深い考察をまとめる思考力、文章表現力を身につける。
授業参加、期末試験により総合評価
*試験テーマは最終講義日2週間前に発表予定
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『日本十二支考 文化の時空を生きる』 (2017年1月刊) | 濱田陽 | 中央公論新社 |
教科書 | *授業、期末試験で必携、秋学期の近代日本文化研究Ⅱでも引き続き使用する。 | ||
参考文献 |
教科書に沿って進むため、次回授業で扱う予定の箇所をざっと通読しておくこと。一回の授業で平均15ページ分ほど進
むことを目安とする。
授業中に教科書中の着目すべき箇所を自分の判断でマークし、主体的に気づいたことや考えをメモするなど(教科書に
書き込んでもポストイットなどを用いてもよい)、時間をかけて一歩一歩理解を深めていって欲しい。
「7.各回の授業内容」には教科書各章が割り振られているが、章によって分量の差があるため、じっさいの授業進行は
ある程度前後することを前提としてほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 教科書『日本十二支考 文化の時空を生きる』及び本講義について |
第2回 | 第一部第一章 生きとし生けるもの |
第3回 | 第一部第二章 五つの存在 |
第4回 | 第一部第三章 存在から時間へ |
第5回 | 第一部第四章 生命の時間、文化の時間 |
第6回 | 第一部第五章 文化の時計—十二支 |
第7回 | 第一部第六章 時間から空間へ |
第8回 | 第一部第七章 生きとし生けるものの時空と統一時空 |
第9回 | 第一部第八章 日本文化の時空へ |
第10回 | 第二部第一章 子—鼠 生きものへの深い信頼/近代の闇/ねずみの幸福論 |
第11回 | 第二部第二章 丑—牛 感謝するこころ/いのちと食/特別な力 |
第12回 | 第二部第三章 寅—虎 海を渡った霊力/残すべきもの/退治物語を超える |
第13回 | 第二部第四章 卯—兎 豊饒のシグナル/地下世界への導き、こころの鏡/いとおしいい希望 |
第14回 | 試験テーマ解説、全体の復習 |
第15回 | 講評、教科書による期末試験 |