言語文化講読Ⅱ
担当者冲永 荘八教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングRES-102

授業の概要(ねらい)

  20世紀心理学の指導的役割を果たした、ウィリアム・ジェイムズの『心理学原理』、その第10章「自己の概念」後半部分「純粋自我」以下を英文で読む。デカルトは考える「私」の存在を疑い得ないものと見なしたが、ジェイムズはデカルトと同じ内観的な方法を用いつつも、それが存在するとは言えないという結論を導き出して行く。しかも彼はヒュームのように最初から観念の束として「私」を見なしたのでもなく、「私」と思われる何かに内側から肉薄しながら、それを探求した結果それがどこにも知覚されないという見解に到り、それ以上の結論を形而上学に委ねる。この内観と思考の道筋を丹念にたどる。

授業の到達目標

 目指すところは言語文化講読Ⅰと同じ。こうした地道な読解と思考の訓練には、試験に受かるためとか、何かの資格をとるため、といった直接の目的はない。しかし目的がないからこそ、こうした訓練は直接の目標を持ったあらゆる勉学の底力となることを理解して頂きたい。

成績評価の方法および基準

授業中に訳出を担当することを出席点とする。期末に試験またはレポートを課す予定。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書The Principles of Psychology, The Works of William JamesWilliam JamesHarvard University Press
参考文献

準備学修の内容

 授業で扱う英文を予習し、内容を理解した上で和訳できるようにしておくこと。この授業は基本的な読解力と思考力の鍛錬であると考えて、地道に取り組んでいただきたい。

その他履修上の注意事項

 言語文化講読Ⅰに同じ。文章を熟読し内容を理解することは、あらゆる勉学の基礎になるので、毎回の予習と読解を積み重ねる努力を怠らないこと。積み重ねるほど自分の力になると考えていただきたい。

授業内容

授業内容
第1回前期で扱った「純粋自我」という概念の、哲学または心理学上の特徴と意義。前期授業の再確認。
第2回p.324-325 THE PURE SELF OR INNER PRINCIPLE OF PERSONAL UNITY
第3回p.325-326 The Theory of the Soul
第4回p.326-327
第5回p.327-328
第6回p.329-329
第7回p.329
第8回p.330
第9回p.331
第10回p.332 The Associationist Theory
第11回p.332-333
第12回p.333-334
第13回p.334-335
第14回p.335-336
第15回後期セメスターのまとめ。