言語文化講読Ⅰ
担当者冲永 荘八教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングRES-101

授業の概要(ねらい)

 20世紀心理学の指導的役割を果たした、ウィリアム・ジェイムズの『心理学原理』、その第10章「自己の概念」後半部分「純粋自我」以下を英文で読む。デカルトは考える「私」の存在を疑い得ないものと見なしたが、ジェイムズはデカルトと同じ内観的な方法を用いつつも、それが存在するとは言えないという結論を導き出して行く。しかも彼はヒュームのように最初から観念の束として「私」を見なしたのでもなく、「私」と思われる何かに内側から肉薄しながら、それを探求した結果それがどこにも知覚されないという見解に到り、それ以上の結論を形而上学に委ねる。この内観と思考の道筋を丹念にたどる。

授業の到達目標

 この授業は「購読」という名前がついていることもあり、純粋自我に関するジェイムズのテキストを丹念に読むことを通じて、何が問題であり、筆者はそれをどう解決しようとしたかを正確に把握する力を養う。「私」の存在をめぐる基本問題の把握と、文献読解の力を養う。

成績評価の方法および基準

 授業中に訳出を担当することで出席点とする。その上で期末に試験またはレポートを計画している。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書The Principles of Psychology, The Works of William James
プリントにて配布する
William JamesHarvard University Press 
参考文献

準備学修の内容

 テキストの英文を精読し、和訳できるように予習すること。根気よく、粘り強く読解して頂きたい。

その他履修上の注意事項

 訳出にあたって、わからない英単語などは自分で調べておくこと。授業中の質問は歓迎する。

授業内容

授業内容
第1回ジェイムズの『心理学原理』という書物の内容と心理学、哲学上の意義について。「自己の概念」の内容と、前期セメスターで扱う「純粋自我」の哲学史上の性質について。
第2回「自己の概念」において、純粋自我は存在するようでいて、実は存在していないと見なされることについて。テクストp.314 THE PURE EGO
第3回p.314-315 The Sense of Personal Identity
第4回p.315-316
第5回p.316
第6回p.317
第7回p.317-318
第8回p.318-319
第9回p.319-320
第10回p.320
第11回p.320-321
第12回p.321-322
第13回p.322^323
第14回p.323-324
第15回p.324 前期セメスターのまとめ