個が生きる学級集団づくりと実践研究
担当者鈴木 康仁, 五十嵐 義征
単位・開講先選択  2単位 [教職研究科]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 授業は複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 学校で学習活動を行う基本単位である学級を児童・生徒にとって教育的に意義のあるものにするための専門的な知識や教育技術などの習得を目指す。また、教育の基礎理論や教職の意義を踏まえ、個と集団の望ましい在り方について文献や先進校の実践事例からディスカッションを通じて学ぶと共に、今日の児童・生徒の実態や生育環境への考察を踏まえて、学級集団づくりの課題を捉え、学級担任に求められる理論的な知識や実践的な技能について研究を深め、安定した学級集団づくりを目指した学級経営能力を培う。

授業の到達目標

 《A類学生》
  学級経営や教職の意義、学年・学級経営との関係についての理解を深め、児童・生徒が安心して教育活動ができる学級集団をつくるための理論や技術を学び、相互の信頼に基づく安定した学級経営能力を修得する。
 《B類学生》
  児童・生徒一人一人を生かし、自他相互の個性の伸長と集団としての学び合いができる学級経営の能力を養うと共に、スクールリーダーとして教職の意義を踏まえ、学校経営への参画意識を持ち、学校経営の方針に基づく組織的かつ効果的・安定的な学級経営の実現に向けて豊かな知見と実戦経験に基づく的確な指導助言の能力を修得する。

成績評価の方法および基準

 ・毎回の講義についての感想や意見を評価(30%)
 ・レポート・まとめ(30%)、発言・討論(40%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特定のテキストは使用しない
参考文献小学校学習指導要領文部科学省
参考文献中学校学習指導要領文部科学省
参考文献児童理解必携西 君子

準備学修の内容

 ・児童・生徒理解及び学級経営に関する書籍を読み、望ましい学級づくりについて自分の考えをまとめておく
 ・児童心理に関する書籍を読み、疑問点を明らかにしておく

その他履修上の注意事項

 ・主体的に学び、深く追究する姿勢をもつこと
 ・A類学生は実習校、B類学生は所属校の資料収集をしておくこと

授業内容

授業内容
第1回 ◯オリエンテーション
  講義のねらいと内容を把握すると共に、講義内容についての課題意識と各自のこれまでの経験を交流する
第2回 ◯個と学級集団、児童・生徒理解について
  個が生きるとはどういうことなのかを、これまでの経験を基に議論し、児童・生徒理解の意義とその在り方を考える
第3回 ◯学級担任の人間性について
  A類学生は具体的な事例を基に、学級担任の人間性が児童・生徒に及ぼす影響について、様々な角度から検討し、人間性を磨くための自己研鑽について考える
  B類学生は、これまでの学級経営の経験に基づいた事例を提供し担任としての人間性について議論する
第4回 ◯学級担任の児童・生徒に対する接し方について
  A類学生は、児童・生徒の現状を捉え、学級担任がどのように接していくことが必要なのかを児童・生徒の成長と発達という視点から考える
  B類学生は、これまでの学級経営の経験を基に児童・生徒への接し方について議論する
第5回 ◯学級担任の共感的な態度について
  A類学生は、児童・生徒の生活とストレスについて考え、学級担任の共感的な態度の必要性を考える
  B類学生は、これまでの学級経営の経験を基に児童・生徒への接し方について議論する
第6回 〇人権教育を基盤とした学級づくりについて
  A類学生は、学級集団をまとめていくために必要な人権意識をどのように醸成していくか考える
  B類学生は、これまでの学級経営の経験を基に児童・生徒への接し方について議論する
第7回 〇規範意識を高める学級づくりについて
  A類学生は、集団が機能するために必要な規範意識をどのように醸成していくか考える
  B類学生は、これまでの学級経営の経験を基に児童・生徒への接し方について議論する
第8回 ◯学級経営と保護者のトラブルについて
  A類学生は、保護者とのトラブルで、学級経営に支障をきたした事例を取りあげその原因と対応策について考える
  B類学生は、自分の経験を基に、保護者への対応について意見を述べ、議論する
第9回 ◯学級づくりと家庭との連携
  望ましい学級経営を進めるに当たって家庭との連携は必要で不可欠なものである。家庭との連携の図るためには何が必要であるか議論する
第10回 ◯学級づくりと危機管理
  児童・生徒の安全を守るという観点から、日常の学級における危機管理について具体的な場面を想定しながら議論する
第11回 〇学級経営と教育における今日的な課題①
  A類学生は「学級がうまく機能しない状況」の具体例的な事例について、担任としての役割を考える
  B類学生は自分のこれまでの経験を踏まえて、課題の解決に向けた意見を述べ、議論する
第12回 ◯学級経営と教育における今日的な課題②
  A類学生は「いじめ」などの具体的な事例について、担任としての役割を考える
  B類学生は自分のこれまでの経験を踏まえて、課題の解決に向けた意見を述べ、議論する
第13回 ◯学級経営と教育における今日的な課題③
  A類学生は「不登校」などの具体的な事例について、担任としての役割を考える
  B類学生は自分のこれまでの経験を踏まえて、課題の解決に向けた意見を述べ、議論する
第14回 ◯望ましい学級集団づくり
  これまでの講義を振り返り、学級担任として何を大切にし、どのように学級集団づくりを進めるかプレゼンテーション資料を作成する
第15回 〇望ましい学級集団づくり
  学級担任としてのどのような学級集団をどのようにつくっていくかお互いに発表し合い、議論する