文化遺産Ⅰ
担当者鈴木  稔
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングCAS-101

授業の概要(ねらい)

 文化遺産という言葉からすぐ連想されるのはヨーロッパの有名な教会、それとも富士山でしょうか。しかし、文化遺産には無形文化遺産というものもあります。近年、和食やナマハゲが世界無形文化遺産に記載され話題になりました。人々の暮らしの中から生まれ、変化しながらも現在にまで受け継がれているものが無形文化遺産だとすると、どんなところにでも文化遺産は存在すると言えるでしょう、たとえその地域の人たちにしか知られていないとしても。また、地域というよりは時代の精神を感じさせる文化遺産というものも考えられます。音楽や演劇、スポーツ、伝統工芸などは代表的なものでしょう。身近な例では、ファッション、遊び、職業なども時代の文化遺産と呼べるかも知れません。こう考えると無形文化遺産の世界は限りなく広がっていきますが、同時にそれらを次の世代に伝えて行くことにはさまざまな困難もあります。
 この授業では、無形文化遺産を中心に、ユネスコの世界無形文化遺産、日本国内の地域文化遺産、時代の文化遺産として生活習慣、古典芸能から現代のアニメやゲームなども扱い、その評価や継承・活用についても考えてみます。なお、スライド画像・ビデオ映像を多用して理解しやすい授業を目指します。

授業の到達目標

 無形文化遺産の保護制度について基本的な知識を修得する(知識・理解)
 多様な無形文化遺産に関心を持ち、その歴史的背景を洞察することができる(関心・理解)
 無形文化遺産の保護・継承・活用について具体的提案ができる(関心・意欲)
 

成績評価の方法および基準

 毎回授業内小レポートを課し、その成績により評価します(100%)。なお、出席チェックと小レポート提出の両方をもって出席と判定します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書は用いず教場にてプリントを配布します。
参考文献 参考文献は適宜指示します。

準備学修の内容

 授業で紹介する参考文献等を読み込んで次回の授業で扱う無形文化遺産についての知識を得ておく。
 プリントにあるキーワードを検索し理解を確かなものにしておく。
 簡単な教場レポートを数回課すので当日までに前もって下調べをしておく。

その他履修上の注意事項

 学部・学科により履修に制限があるので登録時に注意してください。
 無形文化遺産は遠い存在と感ずるかも知れませんが、少しだけ知識を持てば生活の中で見聞きするあらゆるものが関係していることが分かって来ます。身近なところで体験できるかも知れませんし、キーワードが分かればネット上で世界の無形文化遺産を見ることもできます。ぜひ目を開いて広く当りを見回して下さい。毎日が楽しい学習になることと思います。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、無形文化遺産への招待(条約と法律)
第2回無形文化遺産の広がり(人と道具)
第3回世界無形文化遺産(昆曲)
第4回世界無形文化遺産(タンゴ)
第5回日本国内の世界無形文化遺産(歌舞伎・能・狂言)
第6回日本国内の世界無形文化遺産(和食)
第7回日本の伝統工芸(刀鍛冶)
第8回世界の伝統芸能(ロマの人々)
第9回世界の演芸文化遺産(コメディ)
第10回未来の文化遺産(マンガとアニメ)
第11回映画に見る無形文化遺産(スポーツ)
第12回映画に見る無形文化遺産(東アジア編)
第13回映画に見る無形文化遺産(西アジア編)
第14回無形文化遺産の危機と継承・活用
第15回まとめ