文化財科学Ⅱ
担当者岡田  靖
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 文化財の価値は普遍的ではなく、時代や視点によってその価値が大きく異なります。人々の文化的諸活動によって生み出された文化財たちは、人類の生きた証であり、さまざまな情報を多面的に有しています。文化財の本質的な価値をとらえるためには、文化財を人文科学的に、自然科学的に検証し、その価値や意義を多角的、多面的に見定めることが重要です。

授業の到達目標

 本授業では、歴史学などの人文科学的な視点、X線や年代測定などの自然科学的な視点での調査、研究の方法について学び、多様な文化財の価値を的確に見定めるための能力の習得を目指します。

成績評価の方法および基準

 学期末の試験【発表】(60%)と平常点(40%)をもとに総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

 文化財は決して特殊な素材で作られているわけではありません。身近にある様々なものに興味を持ち、科学的な視点で検証する習慣を心がけてください。

その他履修上の注意事項

 座学だけでは理解度が深まらないため、積極的に博物館、資料館、寺社などの見学を行うこと。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス ー木製文化財の保存修復ー
第2回木材の樹種同定調査
第3回木材の年代測定調査
第4回X線透過撮影調査
第5回顔料分析調査・光学的調査
第6回日本の保存修復の歴史と法整備
第7回日本の保存修復理論について
第8回保存修復の実態① 構造補強処置
第9回保存修復の実態② 剥落止め処置
第10回保存修復の実態③ 充填・補作処置
第11回保存環境整備について
第12回保存修復仕様考察(発表)①
第13回保存修復仕様考察(発表)②
第14回保存修復仕様考察(発表)③
第15回まとめ