担当者 | 木村 康平教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | JLT-102 |
風土記の説話を読みます。
風土記は和銅6年(713)、勅命によって編述された各国の地誌です。現存するものは、出雲(島根県東部)・播磨(兵庫県南部)・常陸(茨城県)・肥前(佐賀県と長崎県の一部)・豊後(大分県)の五カ国のみです。しかもほぼ完本といえるのは出雲国風土記だけです。ただし、ほかに逸文(一部のみ残るもの)として数多くの伝承を伝えています。「風土記」という名称が当初からあったわけではなく、本来は、地方の各国府から政府に対して提出した役所の報告書です。土地の産物・地味・山川原野の地名の由来・古老相伝の旧聞遺事(昔語り)などを記述していますが、文学・民俗・歴史などの諸分野にわたる研究の対象となるべき貴重な文献でもあります。この風土記の中から、いくつかの説話を読みつつ、古代社会や、古代の人びとのものの見方、考え方についてふれてみたいと思います。
秋期は常陸(ひたち)・播磨(はりま)・肥前(ひぜん)・豊後(ぶんご)の各国風土記及び逸文風土記を読みます。
なお、古事記や日本霊異記などの説話についても随時説明したいと思います。
*春学期に引き続き、オンラインで授業を行います。例年と条件が異なりますので、以下の、授業計画については随時変更する場合があります(オンラインでは授業の進行が早くなることがあります)。どうか、ご理解ください。
古代文学に親しむことができる。
古代説話の構造と方法について理解することができる。
古代人の宗教観や考え方について、その基本を説明することができる。
以上を目標とします。
期末試験(50%)と、平常点(授業への参加度・毎回のコメントシート・小レポートなど。50%)をあわせて評価します。
期末試験を受験するだけでは単位を修得することはできません。
・配付プリントを復習すること。
・配付プリントにしるされている「質問」について各自が学習し、研究を深めること。
・自分なりに疑問をもつこと。
・さらに発展的に学習をすること。
出席することがたいせつです。遅刻をしないこと。授業時のマナーを守りましょう。スマホの使用は不可。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 風土記について、秋期から受講する人にも分かるように説明します。 白鳥伝説と鳥の呪儀 |
第2回 | 貝塚の起源―巨人神の時代 那賀郡―くれふし山伝説(神話の類型性―話型とは何か) |
第3回 | 播磨国風土記について 賀古(かこ)の郡と鹿の声 印南の地名起源説話 |
第4回 | ひれ墓の伝承とイナビ妻(景行天皇の求婚と、身を隠す妻の伝承) |
第5回 | 飾磨(しかま)郡、伊和の里―子を棄てる父と、子の怒り(姫路十四丘の起源譚) 揖保(いぼ)郡、上岡(かみおか)の里―大和三山争闘の伝承 |
第6回 | 馬墓の伝承 伊刀(いと)島と泳ぐ鹿 佐比(さひ)岡ー怒れる神を鎮魂する |
第7回 | 揖保郡神嶋―石神の涙の謎、いひぼ丘―異国の神 天日槍命(あめのひぼこのみこと)と葦原シコヲ命の土地争い |
第8回 | 揖保郡美奈志川の由来・讃容(さよ)郡の由来(女神と男神の争い) 神前郡埴岡(はにおか)の里―オホナムチとスクナヒコネ(巨人神と小人神の我慢比べ) |
第9回 | 豊後国風土記の解説、頸(くび)の峯―人語を発する鹿の誓いと豊穣の祭・鹿の呪儀 肥前国風土記の解説、ヒレ振りの峯(招魂の呪術としてのヒレ振り) |
第10回 | 山城国風土記逸文―京都、上賀茂神社・下鴨神社の起源 |
第11回 | 伊勢国風土記逸文―伊勢の国号由来と伊勢神宮の成立 |
第12回 | 蘇民将来(そみんしょうらい)―外部から訪れる神々 鹿の伝承―鹿と海人(あま)の関係・鹿の夢解き |
第13回 | 丹後国与謝郡―浦島伝説と神仙譚(浦島伝説はどのように誕生したか)① |
第14回 | 浦島伝説と万葉和歌② |
第15回 | 丹後国風土記逸文―丹波郡、比治(ひじ)の里 さすらう天女の悲しみと、神の巡行神話 全体のふりかえり |