家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
担当者木原 久美子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 本講では、家族・集団・地域における心理支援について検討する。取り上げるテーマは、家族関係等集団の関係性に関する心理支援の理論と方法、育児・保育支援、地域社会や集団・組織に働きかける心理学的援助に関する理論と方法、心理相談・助言・指導等への応用等である。実践については、仮想事例をもとに、心理職としての役割や専門性を検討する。
 授業は、講義方式と演習方式で進める。演習では、輪番制でテキストおよび学術論文の担当箇所を報告し、それに基づき履修者全員でディスカッションする機会を設け、この領域の心理支援について受講生各自が明確なイメージを持って学ぶことを目指している。

授業の到達目標

 1)家族・集団・地域に関する心理専門職としての実践領域と理論を学ぶ。
 2)家族・集団・地域に関する心理支援のポイントを学ぶ。

成績評価の方法および基準

 グループディスカッション等授業に対する積極的参加、発表、テストなどを総合して評価する(目安として参加20%、発表30%、テスト50%)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書授業時に適宜紹介
参考文献家族心理学:家族システムの発達と臨床的援助中釜洋子・野末武義・布柴靖枝・無藤清子有斐閣ブックス

準備学修の内容

 1)家族をめぐる社会的政策の動向を調べてくること。
 2)授業内容に関して問いを考えて授業に臨むこと。

その他履修上の注意事項

 1)授業で発表の担当に当たった場合は責任を持って担当すること。
 2)授業中の積極的な参加を評価するので留意すること。 

授業内容

授業内容
第1回家族・集団・社会に関わる心理実践とそれを支える発達の基礎理論について学ぶ
第2回Ⅰ 家族関係等集団の関係性に焦点を当てた心理支援の理論と方法:エリクソンのライフサイクル論
第3回開放システムとしての人:ブロンフェンブレンナーの生態学的発達理論・ミラーの生命システム理論(Living Systems Theory)
第4回Ⅱ 育児・保育支援について学ぶ:家族を取り巻く現代的な課題(家族の多様化、育児への支援とは何か)、親としての発達
第5回子ども・子育て支援新制度、待機児童問題、社会保障の一環としての子育てについて学ぶ
第6回Ⅲ 地域社会や集団・家族に働きかける心理学的援助に関する理論と方法を学ぶ:インクルージョンの思想と社会的背景について学ぶ
第7回生態学的コンサルテーション、組織コンサルテーション、カウンセリングのポイントを整理する
第8回生活の中での心理学的援助とは何かを学ぶ
第9回生活の場における気になる子ども・気になる生徒について学ぶ
第10回Ⅳ 心理に関する相談、助言、指導等について、心理実践の事例を通して学ぶ
第11回心理相談事例から学ぶ 1
第12回心理相談事例から学ぶ 2
第13回心理実践の意義を生涯発達にわたる長期継続事例から学ぶ 3
第14回Ⅴ 家族・集団・社会に関わる心理職の専門性についてディスカッションを通して学ぶ
第15回まとめとテスト