産業論Ⅰ
担当者堀内 英次教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-209

授業の概要(ねらい)

 90年代以降急速に進展した経済のグローバル化は、日本企業の海外展開を急速に推し進め、その結果大きく進展した国際分業は、日本の産業構造に大きな影響を与えてきた。
 特に近年グローバル競争は激化しており、またデジタル化が急速に進展する中で、日本企業は韓国や中国などのアジア系企業、またグローバル展開の進む欧米企業との競争に苦戦している。一方で日本政府も、グローバル化、デジタル化がもたらした国際経済環境の変化に対応した政策改革を進めていく立場にありながらも、その改革は遅々として進んでいない。このような状況の中、企業も政府も構造改革が強く叫ばれ、その点について近年盛んに議論が行われている。
 そのような問題意識の下で、本講義では、戦後から現在に至るまでの日本の産業構造の変遷を、企業の技術革新、産業政策、更に日本企業のグローバル化と国際分業の進展という観点から概観する。さらには、グローバル化、デジタル化に対応し、更にはそれらを活かす形で日本が発展を続けていくために、現在の日本企業や政府はどのような改革を行うべきか、日本の産業構造はどのように変化していくべきかを考察する。

授業の到達目標

①様々な統計データを駆使し、戦後日本の経済発展を産業構造の転換という観点から把握できるようにする
②需要と供給、政府、国際取引など、様々な観点から産業構造の変化を考察する力を養う
③経済学的な観点から産業構造の変化を分析する力を修得する

成績評価の方法および基準

(1) 小テスト(4回を予定)(到達目標①②③) 33%
(2) 期末試験 (到達目標①②③)     67%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 単一のテキストはなく、様々な資料を元に作成したスライドをプロジェクターを使って上映し、講義を行う。必要な参考文献については、適宜、講義中に紹介する。さしあたり、以下の参考図書を紹介しておく。
 
参考文献(2001)『日本産業構造論』鶴田 俊正・伊藤 元重NTT出版
参考文献(2011)『国際企業経営の大転換』永池克明九州大学出版会

準備学修の内容

 講義で随時紹介する関連図書や日経新聞の読み込み

その他履修上の注意事項

 グローバル競争の進展の中で日本企業はどのように構造改革を進めていくべきか、政府はどのような役割を果たすべきか、そのようなテーマに関心を持つ意欲的な学生の参加を求む。
 内容は難しくはないが、期末テストは持ち込み禁止であり、成績評価も厳しいので注意すること。
 また、3年次に堀内の演習受講を希望する学生は、履修しておくことが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回 授業ガイダンス
第2回 第1章 産業構造の変遷
 第1節 産業分類について
 第一次産業から第三次産業まで、産業分類の方法について学習する
第3回 第1章 産業構造の変遷
 第1節 産業分類について
 第一次産業から第三次産業まで、産業分類の方法について学習する
第4回 第2節 日本の戦後経済史:年表
 日本の戦後経済史を年表と統計資料で簡単に振り返る
第5回 第3節 産業構造の変遷
 産業構造の変遷を概観する
第6回 第2章 産業構造の変遷と政府の政策
 第1節 産業政策とは何か
第7回 第2節 政府の政策の歴史と産業構造の変遷
第8回 第2節 政府の政策の歴史と産業構造の変遷
第9回 第3章 産業構造の変遷と企業の技術革新
 第1節 技術導入
 戦後日本企業の技術導入の変遷を概観する
第10回 第2節 企業の研究開発
 戦後日本企業の研究開発の変遷を概観する
第11回 第3節 21世紀を支える新技術
 今後の日本経済を支える新技術について紹介する
第12回 第4章 産業構造の変遷と国際分業の進展
 第1節 対外貿易と直接投資の変遷
 戦後日本の対外貿易と直接投資の変遷を日本の経済発展と関連付けながら概観する
第13回 第2節 国際分業の進展と国内の産業構造への影響
 プラザ合意以降の国際分業の進展がもたらす国内の産業構造への影響を概観する
第14回 第3節 日本企業のグローバル化
 電気・電子産業、自動車産業などを取り上げ、日本企業のグローバル化を概観する
第15回 復習