刑事訴訟法Ⅱ
担当者堀田 晶子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-302

授業の概要(ねらい)

刑事訴訟法は、刑法を実現するための手続を定めた法律です。とはいえ、刑事訴訟法は刑法の助法にすぎないわけではありません。刑法と刑事訴訟法は、いわば車の両輪のようなもので、どちらが欠けても刑事裁判は成り立たないのです。刑事裁判は、犯罪が行われたか否か(有罪か無罪か)を確定し、有罪の場合は、それに対する刑罰をどうすべきかを判断する手続です。事件が発生すると捜査が始まり、場合によっては起訴されて裁判にかけられます。こうした一連の刑事手続に関する法律が、刑事訴訟法です。秋期の授業では、公訴の提起、公判、証拠法を取り上げます。

授業の到達目標

①刑事訴訟法に関する専門的な知識を身につけ、刑事手続の流れや仕組みを理解する。
②刑事訴訟法の各論点について、判例の立場や学説の対立を踏まえながら、自分の言葉で説明できる。

成績評価の方法および基準

基本的に試験によって評価しますが、感想文やレポート等の課題を出すこともあります。評価配分の目安は、試験90%、授業への貢献度10%です。授業への貢献度は、課題の提出や授業態度等によって総合的に判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『入門刑事手続法 第7版』(2017) 三井誠・酒巻匡 有斐閣
教科書『刑事訴訟法 第7版』(2017)田口守一 弘文堂
参考文献『刑事訴訟法判例百選 第10版』(2017) 井上正仁・大澤裕・川出敏裕編 有斐閣
参考文献『目で見る刑事訴訟法教材 第3版』(2018) 田口守一・佐藤博史他 有斐閣
参考文献『ケースブック刑事訴訟法 第5版』(2018) 井上正仁・酒巻匡・大澤裕他 有斐閣

準備学修の内容

特に復習に力を入れてください。毎回の授業で扱ったテーマについて、レジュメやノートを読み返しながら、復習しましょう。勉強すればするほど疑問がわいてきます。疑問点が出てきたら、テキストを繰り返し読みながら、まずは自分で考えてみましょう。図書館を大いに活用し、時には友人と議論してみてください。それでもわからない場合は、教員に質問してください。

その他履修上の注意事項

①刑法総論・刑法各論をすでに履修済み、あるいは並行して履修することが望ましいです。また、犯罪学・刑事政策、少年法・被害者学も並行して履修すると、刑事法全体に関する理解が深まります。
②授業をよく聞いて、その都度レジュメに書き込むか、ノートを取るようにしてください。自分で書いて、理解することが大切です。授業の内容が聞き取れなかった場合は、あやふやのままにせず、すぐに教員に確認してください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション -刑事手続の概観・春期の復習-
第2回捜査の終了から公訴の提起へ/略式手続
第3回公訴の提起における基本原則/不起訴処分に対する救済制度その1
第4回不起訴処分に対する救済制度その2-検察審査会制度-
第5回起訴状一本主義
第6回公判のための準備活動
第7回公判期日における手続
第8回前半のまとめ
第9回証拠法① 証拠法概説
第10回証拠法② 証拠能力と証明力
第11回証拠法③ 証拠の許容性 -違法収集証拠の排除法則-
第12回証拠法④ 自白法則 -自白の証拠能力と証明力-
第13回証拠法⑤ 伝聞法則の意義
第14回証拠法⑥ 伝聞法則の例外
第15回秋期のまとめと試験(予定)