刑事訴訟法Ⅰ
担当者堀田 晶子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-301

授業の概要(ねらい)

刑事訴訟法は、刑法を実現するための手続を定めた法律です。とはいえ、刑事訴訟法は刑法の助法にすぎないわけではありません。刑法と刑事訴訟法は、いわば車の両輪のようなもので、どちらが欠けても刑事裁判は成り立たないのです。刑事裁判は、犯罪が行われたか否か(有罪か無罪か)を確定し、有罪の場合は、それに対する刑罰をどうすべきかを判断する手続です。事件が発生すると捜査が始まり、場合によっては起訴されて裁判にかけられます。こうした一連の刑事手続に関する法律が、刑事訴訟法です。春期の授業では、逮捕・勾留をはじめとする捜査手続について勉強します。

授業の到達目標

①刑事訴訟法に関する基本的な知識を身につけ、刑事手続の流れや仕組みを理解する。
②刑事訴訟法の各論点について、判例の立場や学説の対立を踏まえながら、自分の言葉で説明できる。

成績評価の方法および基準

基本的に試験によって評価しますが、感想文やレポート等の課題を出すこともあります。評価配分の目安は、試験90%、授業への貢献度10%です。授業への貢献度は、課題の提出や授業態度等によって総合的に判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『入門刑事手続法 第7版』(2017)三井誠・酒巻匡有斐閣
教科書『刑事訴訟法 第7版』(2017)田口守一弘文堂
参考文献『刑事訴訟法判例百選 第10版』(2017) 井上正仁・大澤裕・川出敏裕編 有斐閣
参考文献『目で見る刑事訴訟法教材 第3版』(2018) 田口守一・佐藤博史他 有斐閣
参考文献『ケースブック刑事訴訟法 第5版』(2018)井上正仁・酒巻匡・大澤裕他有斐閣

準備学修の内容

特に復習に力を入れてください。毎回の授業で扱ったテーマについて、レジュメやノートを読み返しながら、復習しましょう。勉強すればするほど疑問がわいてきます。疑問点が出てきたら、テキストを繰り返し読みながら、まずは自分で考えてみましょう。図書館を大いに活用し、時には友人と議論してみてください。それでもわからない場合は、教員に質問してください。

その他履修上の注意事項

①刑法総論・刑法各論をすでに履修済み、あるいは並行して履修することが望ましいです。また、犯罪学・刑事政策、少年法・被害者学も並行して履修すると、刑事法全体に関する理解が深まります。
②授業をよく聞いて、その都度レジュメに書き込むか、ノートを取るようにしてください。自分で書いて、理解することが大切です。授業の内容が聞き取れなかった場合は、あやふやのままにせず、すぐに教員に確認してください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション -刑法と刑事訴訟法-
第2回刑事訴訟法の目的 -判例を読みながら考える-
第3回捜査① 捜査の端緒・職務質問に伴う所持品検査の可否 -判例を読む-
第4回捜査② 任意捜査と強制捜査/逮捕その1
第5回捜査③ 逮捕その2/逮捕後の手続
第6回捜査④ 勾留
第7回捜査⑤ まとめ①
第8回捜査⑥ まとめ②
第9回捜査⑦ 捜査機関
第10回捜査⑧ 捜索・差押えその1
第11回捜査⑨ 捜索・差押えその2-令状によらない捜索・差押え-
第12回捜査⑩ 検証・鑑定
第13回捜査⑪ 身体検査
第14回捜査⑫ 強制採血・強制採尿
第15回春期のまとめと試験(予定)