民法総論Ⅰ
担当者北見 良嗣教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCIL-101

授業の概要(ねらい)

 日本の法制度における民法の位置付けと民法の果たす役割を概観した後、民法典第一編「民法総則」を中心に、契約の成立・主体、代理について学習します。民法総則は、2年次以降履修する民法各科目の基礎となる科目であり、法律学全体の基礎となる制度を提供していますので、しっかり理解することが望まれます。
 なお、2020年実施の民法(債権法)改正および2019年から段階的実施の同(相続法)改正についても、重要ポイントを中心にカバーを図ります。

授業の到達目標

 ①民法、さらに法律学の基礎となる法制度の仕組みや役割を理解します。
 ②具体的には、前期は契約の成立と意思表示、契約の主体である人、権利能力・意思能力・行為能力、代理について基礎知識を修得します。

成績評価の方法および基準

 最終回に実施する試験(80点)+平常点(20点)
 -平常点(20点)は、中間レポートにより採点します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『民法I(第4版)-総則・物権総論』内田貴東京大学出版会(2008)
参考文献『民法判例集 総則・物権(第2版)』内田貴・山田誠一・大村敦志・森田宏樹有斐閣(2014)
参考文献『重要論点 実務 民法(債権関係)改正』鎌田薫・内田貴・青山大樹・末廣裕亮・村上祐亮・篠原孝典商事法務(2019)

準備学修の内容

 ①授業の進行に合わせて、指定した教科書の次回の授業範囲を読み、専門用語の意味等を理解しておくこと。
 ②授業で聴いた内容(特に分からなかった点)は、必ずその日のうちにノート整理を行い、要点を整理すること。
 ③講義の進行度合いに合わせて、法学検定問題集(ベーシックないしスタンダード・コース)を参照し、知見・理解の確認を行うこと。

その他履修上の注意事項

 ①法学概論を並行的に履修することが望まれます。なお、後期の民法総論IIは必修科目。
 ②民法は、大多数の学生諸君にとって大学に入って初めて学ぶ科目であり、しかも他の法律を学ぶ際に前提となることが多い科目です。民法の確たる理解には、授業に出席することが不可欠です。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション-テキスト・参考書の紹介・使い方説明、授業の進め方、試験、学習の心構え等
 民法への道案内
第2回 民法総論-民法とは何か、民法の構造と民法典の構成
第3回 日本民法典の沿革
 契約の成立
第4回 契約の成立-意思表示、心裡留保
第5回 契約の成立-虚偽表示
第6回 契約の成立-94条2項の類推適用、錯誤
第7回 契約の成立-詐欺、強迫
第8回 契約の主体-人・権利能力、失踪宣告
第9回 契約の主体-意思能力・行為能力、未成年者、後見、保佐
第10回 契約の主体-補助、成年後見制度の今後
第11回 契約の主体-制限行為能力者の相手方の保護
第12回 住所・不在者
 代 理-代理とは何か、代理の法律関係、代理権
第13回 代 理-自己契約・双方代理、復代理人
第14回 代 理-代理権の消滅、任意後見契約、代理行為
第15回 代 理-代理の効果、無権代理
 まとめ