経済政策論Ⅰ
担当者冨田 秀昭教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングECP-205

授業の概要(ねらい)

 私たちは、政府、日本銀行により実施されている経済政策により、さまざまな影響を受けて生活しています。すぐに思い浮かぶ代表的な経済政策はマクロの財政金融政策ですが、それ以外にも多様な経済政策があります。ミクロの資源配分などに影響を及ぼす最低賃金制度、保護貿易政策、産業政策をはじめとする市場への政府介入、外部性を内部化するための政策対応など、さまざまなケースが考えられます。
 「経済政策論」の講義では、経済政策を評価するための基礎理論を学んだ上で、日本で実施されている経済政策を評価できるようになることを目指します。
 「経済政策論Ⅰ」では、必要な経済学の考え方を整理した上で、経済政策を評価するための基礎理論を習得し、市場への政府介入、外部性の存在するケースなど、資源配分の効率性の観点からどのように評価できるかについて学びます。

授業の到達目標

 (1)ミクロ経済学とマクロ経済学の考え方を用いて、経済政策を評価するための基礎理論を学びます。
 (2)習得した経済政策の基礎理論により、日本で実際に採用されている経済政策を評価できるようになることを目指します。

成績評価の方法および基準

 (1)期末試験60%をベースとして、それまでの講義で学んだ重要な概念や用語の理解を問う小テスト40%(計4回、不定期)により総合的に評価します。
 (2)合格ラインにわずかに満たない場合で、出席状況のほか日頃の受講姿勢を勘案して合格とすることもあるので、まじめに取り組んで下さい。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ゼミナール 経済政策入門』  岩田規久男・飯田泰之日本経済新聞出版社、2006年

準備学修の内容

 (1)講義前に教科書の関連部分を熟読し、疑問点などをチェックして講義に臨んで下さい。
 (2)原則として講義内容の要点を記載したレジュメを毎回配付するほか、必要に応じて配付する資料に基づいて、現実の経済政策を考える際の経済学的考え方を丁寧に解説することを心掛けるつもりです。帰宅してから、その日の講義内容を見直すなど、復習に重点を置いて取り組んで下さい。

その他履修上の注意事項

 (1)「入門ミクロ経済学」および「入門マクロ経済学」を履修済みであることが望ましい。
 (2)経済政策を考える際の経済学的考え方を体系立てて理解するため、「経済政策論Ⅱ」の連続受講を希望します。
 (3)講義中の私語など、他の受講生に迷惑を掛ける行為があった場合には、成績評価に際して大幅減点、あるいは不合格とすることがあります。

授業内容

授業内容
第1回 <ガイダンス>
 授業目的、授業方法、成績評価、準備学修および授業内容について
第2回 <講義> 経済政策のための経済学基礎(1):経済学の基礎
第3回 <講義> 経済政策のための経済学基礎(2):需給分析とGDP概念
第4回 <講義> 経済政策のための経済学基礎(3):資源配分の効率性と余剰分析
第5回 <講義> 経済政策のための経済学基礎(4):所得分配の公平性
第6回 <講義> 経済政策のための経済学基礎(5):第2回~第5回の講義内容の総括
第7回 <講義> 市場への政府介入(1):課税
第8回 <講義> 市場への政府介入(2):価格の上限規制(家賃規制)
第9回 <講義> 市場への政府介入(3):価格の下限規制(最低賃金規制)
第10回 <講義> 市場への政府介入(4):保護貿易政策
第11回 <講義> 市場への政府介入(5):産業政策
第12回 <講義> 外部性と公共財(1):外部性の存在と効率性
第13回 <講義> 外部性と公共財(2):外部性の内部化
第14回 <講義> 外部性と公共財(3):公共財の供給
第15回 <まとめ>
 1)講義の総括
 2)期末試験