会社法特講Ⅰ
担当者品川 仁美教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-313

授業の概要(ねらい)

 現代において、会社は社会経済の中心的な存在である。会社と聞くと、なにか新聞のむこうの遠い世界のように感じるかもしれないが、実際のところ会社は我々のごく身近にある存在である。たとえば、我々が日々通い詰めているコンビニエンスストアも会社であり、また多くの学生が将来就職する先も会社である。
 これらの実は身近に存在している会社が、映画やドラマになるようなドラマティックな状況に巻き込まれることがある。いわゆるM&Aと呼ばれる企業買収の場面や、企業再編の場面である。
 このような問題は、日々のニュースの中でよく見かけるのだが、その法律上の概念や規定については、時間の関係でなかなか会社法Ⅰ・Ⅱでは扱えない。
 本講義では、日経新聞等でよく目にするであろうM&Aについて集中的に取り扱う。具体的にはM&Aに関する解説をした上で、その週に起こった関係ニュースを読み、ニュースに関するディスカッションを行う。
 応用的な内容も含まれるため、会社法Ⅰ・Ⅱをすでに履修している、もしくは並行して履修していることを前提として授業を行う。授業では積極的な発言を求める。

授業の到達目標

 ①M&Aに関する様々な制度について、基本的な知識を得て、説明することができる。
 ②M&Aに関する様々な制度の違いについて、自分の言葉で説明することができる。
 ③授業で扱った重要なニュースについて、理解し説明することができる。

成績評価の方法および基準

 レポート:30%
 授業内試験:50%
 授業内の貢献度(発言および出席):20%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『会社法(LEGAL QUEST)』(第4版、2018)伊藤 靖史、大杉 謙一、田中 亘、松井 秀征有斐閣
教科書『ビジネス法務の理論と実践』(2019)松嶋隆弘・鬼頭俊泰編著芦書房
参考文献

準備学修の内容

 教科書の該当箇所を読み、授業で扱う内容について簡単に理解しておく。
 毎日、日経新聞に目を通し、授業に関係するニュースを探して、意見や質問をまとめてくる。

その他履修上の注意事項

 会社法Ⅰ・Ⅱを履修済み、もしくは並行して履修していること。
 きちんと毎回出席することを重視する。
 六法は必ず持参すること。
 授業中の私語等、迷惑行為は慎むこと。
 授業で配布したレジュメ等は、事後的に配布することはしない。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回会社の基礎の変更(定款変更)
第3回M&A①買収・結合・再編の意義と方法
第4回M&A②株式の取得による買収
第5回M&A③キャッシュ・アウト
第6回M&A④対象会社の取締役の義務
第7回M&A⑤組織再編の意義
第8回レポートについての説明と解説
第9回M&A⑥組織再編の手続
第10回M&A⑦組織再編の無効の訴え
第11回M&A⑧事業の譲渡等
第12回M&A⑨敵対的買収と防衛策1
第13回M&A⑩敵対的買収と防衛策2
第14回M&A⑪敵対的買収と防衛策3
第15回まとめと授業内試験