史学概論Ⅱ
担当者能勢 和宏教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHSG-202

授業の概要(ねらい)

この授業では歴史学という学問について学びます。前期は歴史学の基礎的な作業・要素(史料の取り扱い、問題意識など)について学びましたが、後期は歴史学の中にある多様性・バリエーションを学んでいきます。今日、歴史学で取り上げられるテーマは文字通り多種多様です。中学・高校の歴史教科書にものっているような事柄をより掘り下げていくような研究もありますが、教科書には一切のっていないような事柄を開拓する研究のほうが多いと言えるでしょう。この授業ではそうした歴史学が取り上げてきた様々なテーマを知り、受講者それぞれが自分に合ったテーマを見つけ出すことを目指します。いわばこの授業を今後の探求の出発点としてほしいと考えています。
具体的には、今日歴史学で取り組まれている主なテーマとして、1)政治・外交史、2)経済史、3)社会史(全体史・心性史・マイノリティの歴史など)、4)グローバル・ヒストリーを取り上げ、それぞれの概要と主要な研究を紹介します。そこから受講者は時代と地域(例えば中世ヨーロッパ)だけではなく、時代・地域そして特定のテーマにまで自分の関心をしぼることを目指します。

授業の到達目標

歴史学の学問的特徴について説明できるようになる。
歴史に関する知識を身につけるだけではなく、主体的に歴史に関わる問題を発見し、考察する姿勢を身につける。

成績評価の方法および基準

中間試験:40%
期末試験:60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は指定しない。参考文献は適宜授業中に紹介する。
参考文献

準備学修の内容

授業内で紹介した論文・書籍の「はじめに」の部分を読むようにしてください。
その際、なぜその論文・書籍が書かれているのか、研究課題の設定方法をしっかりと吸収することをこころがけてみて下さい。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
授業運営について説明する。
第2回現在の歴史学の学問状況
歴史学をめぐる近年の議論を概括する。
第3回政治・外交史の特徴を知る①
歴史学の中で政治や外交を分析する政治・外交史の成り立ちを知る。
第4回政治・外交史の特徴を知る②
近年の政治・外交史の研究を具体的に把握する。
第5回経済史の特徴を知る①
歴史学の中で経済を分析する経済史の成り立ちを知る。
第6回経済史の特徴を知る②
近年の経済史の研究を具体的に把握する。
第7回中間試験
第8回社会史の特徴を知る①
フランス人歴史家ブローデルを中心に、社会史の成り立ちを知る。
第9回社会史の特徴を知る②
アナール学派第3世代と呼ばれる歴史家の研究を中心に、心性史と呼ばれる歴史学の特徴を知る。
第10回社会史の特徴を知る③
近年の社会史の研究を具体的に把握する。
第11回グローバル・ヒストリーの特徴を知る①
ここ最近の歴史学で最も注目を集めているグローバル・ヒストリーという手法の主眼を知る。
第12回グローバル・ヒストリーの特徴を知る②
グローバル・ヒストリーの研究を具体的に把握する。
第13回「戦争映画」を比較する①
政治・外交史的観点から描かれた戦争映画として、『激動の昭和史 軍閥』を鑑賞する。
第14回「戦争映画」を比較する②
社会史的観点から描かれた戦争映画として、『この世界の片隅に』を鑑賞する。
第15回まとめと試験