担当者 | 徳山 英邦教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経営学科] | |
科目ナンバリング | ACC-306 |
今日、日本企業は国内における国際化に直面しています。会計制度もその例外ではありません。国内の大会社は、日本基準、国際会計基準・財務報告基準(IAS/IFRS)、米国基準等の採用が可能です。その意味では、国際会計基準等はすでに国内会計の一部です(直接的影響)。
さらに、間接的影響もあります。それは国際的会計統合(コンバージェンス)を前提として、国内会計基準の開発・改定の際に国際基準が事実上考慮されたうえで設定されることにより生じます。そしてその国際会計基準と基礎概念それ自体が動き続けている現況にあります。
なぜ、国内企業の一部は国際会計基準を採用するのか(作成者の視点)、なぜ国内基準設定機関は、国際会計基準の動向を考慮する必要があるのか(監督規制当局の視点)、そしてなぜ、これらの動向を学ぶ必要があるのか(利用者の視点)、これらのなぜについて理解するためには、会計制度の過去と現在、そして将来の方向性をみる必要があります。そのために、(1)取得原価主義会計、公正価値会計の特徴、(2)会計の国際的統合の利点と欠点、(3)IASB概念フレームワーク(新しい基礎概念)の特徴を理解することをねらいとします。
国際会計論では、次の5つのことを理解することを到達目標とします。
(1)企業会計原則の基本思考と収益費用アプローチ(会計制度の変更ニーズと影響の理解の基礎)
(2)国内外の中小企業会計のフレームワーク
(3)収益費用アプローチと資産負債アプローチ、そして公正価値会計
(4)国際会計基準審議会(IASB)公表の国際会計基準(IAS)/国際財務報告基準(IFRS)の基本思考の表れとなる概念フレームワークといくつかの個別基準
(5)統合化の動き(日、米、EU)の把握
この科目Ⅱでは、(1)(3)(4)(5)を中心に学修します。
各回の授業中の演習の習得状況と受講姿勢(65 %)、小テスト、配布プリントの最終的消化状況(35%)を目安として、総合的に評価します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『基本から学ぶ会計学』 | 近田典行、他著 | 中央経済社 |
参考文献 | 『国際会計論』 | 森川八洲男 | 白桃書房 |
授業中に配布するプリントを自分で解き、各回の学修事項をイメージ化し、作図化してください。また、各回の学修内容と関連づけて反復して理解するように努めてください。
計算機、3色ペン、各回に配布済みのプリントを毎回持参して下さい。理解度確認を目的とした小テスト(約30分)を2回程度実施します。課題等の回収は、その都度、指定した時間に行ないます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス(授業の進め方、成績評価、履修上の留意点)、学修の必要性 |
第2回 | 会計行為(認識、測定、伝達)と利害関係者(作成者、利用者、国と基準設定機関) |
第3回 | 株式会社制度と資金調達(直接金融、間接金融、会計主体論と資本コスト) |
第4回 | 制度会計(商法、会社法、金融商品取引法、税法)と利害関係者 |
第5回 | 日、米、国際会計基準(財務報告基準)の基準設定機関等の概要 |
第6回 | ストックとフロー、財政状態計算書(貸借対照表)と財務業績の計算書(損益計算書) |
第7回 | 概念フレームワーク:日米及び国際会計基準審議会発行資料の紹介 |
第8回 | 企業会計原則の体系と収益費用アプローチ、取得原価主義会計 |
第9回 | 概念フレームワークの体系と資産負債アプローチ、公正価値会計 |
第10回 | 概念フレームワーク:財務報告の目的と質的特性、財務諸表構成要素の定義 |
第11回 | 概念フレームワーク:会計事象(取引)の認識と測定 |
第12回 | IFRS各論:収益概念と収益認識、財務諸表の表示 |
第13回 | IFRS各論:金融商品、減損、その他の論点 |
第14回 | EU諸国における会計制度 |
第15回 | 学修内容のまとめ |