演習Ⅰ
担当者藤井 隆至
単位・開講先必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 今日の日本経済はグローバル化が急速に進行していますが、それとともに、日本の「ものづくり」の心と技術が大きな注目を集めています。とりわけ、幕末から昭和前期にかけて日本各地で形成された各種の産業は、建造物や機械などが今も多く残されており、「ものづくり」の心と技術を示す近代化産業遺産として大切に保存されています。もっとも有名な近代化産業遺産に、世界遺産にも指定されている富岡製糸場や韮(にら)山(やま)反射炉があります。
 この演習では「近代化産業遺産」を勉強し、日本経済の近代化に果たした役割を理解し、先人の努力のあとを追体験します。
 はじめに『日本の近代遺産』を教科書にして、私がガイダンス的な講義をおこないます。そのあと、経済産業省の「近代化産業遺産群」(希望があれば文化庁の「近代化遺産」も加えます)にリストアップされている66の産業遺産群のなかから、各学生に、勉強したい遺産群を一つ選んでもらいます。それをもとにして、各学生は、調査の成果を教室でプレゼンテーションし、そのプレゼンテーションを討論材料にして、学生と学生、学生と教員のあいだでディスカッションします。また、学外授業として、富岡製糸場へフィールドワークにでかけます。これらの成果をふまえ、各学生は、年度の終わりにレポートを作成します。できれば、卒業論文につなげてください。 

授業の到達目標

 文献調査に加え、研究したい産業遺産を現場でくわしく観察し、関係者からヒアリングするなどして、“足で稼ぐ”実践的な研究スタイルを身につけ、各自が調査した近代化産業遺産がもつ日本経済史上の意義を他者に説明できるようにする。

成績評価の方法および基準

 成績評価の方法は、15回の授業への貢献度点(5点×15回)と学期末のレポート点(25点)との合計点とします。また、授業への貢献度やレポートの評価は、授業の到達目標蘭に記載した到達目標を達成しているかどうかを基準とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 関連する資料は授業中に配布します。
参考文献近代化産業遺産群経済産業省経済産業省のホームページ

準備学修の内容

 ディスカッションを実り多いものとするためには、プレゼンテイタ―はもちろんのこと、フロアーの学生もプレゼンテイターと同等レベルの準備学修をしておかなければなりません。各回のプレゼンテーションは、経済産業省の「近代化産業遺産群」に記載された産業遺産についておこなわれますので、各学生は、プレゼンテーションされる予定の産業遺産を各自で事前に調査してレポート用紙にまとめ、プレゼンテイターと異なる見方や知識を用意したうえで演習に臨んでください。

その他履修上の注意事項

 日本経済史の授業を履修済であるか、履修中であることが望ましいです。演習に臨むにさいしては、各自の選択した産業遺産が、なぜこの「産業」なのか、なぜこの場所に「遺産」として残っているのか、等を考える姿勢をもってください。「なぜ」という疑問を持って調べることが重要です。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス
第2回 講義「産業遺産とはなにか①」
第3回 講義「産業遺産とはなにか②」
第4回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション①
第5回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション②
第6回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション③
第7回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション④
第8回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑤
第9回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑥
第10回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑦
第11回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑧
第12回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑨
第13回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑩
第14回 「近代化産業遺産群」の調査成果のプレゼンテーションとディスカッション⑪
第15回 世界遺産・近代化産業遺産「富岡製糸場」のフィールドワーク